2020年 西成を徘徊した時のお話し1 - NISHINARI in OSAKA -
2020年コロナ禍1年目、10月。まだまだ夏が終わらないこの季節、私は久々に大阪に赴いた。仕事がてら久々に西成、新世界を徘徊しよう。ひとけはないがザリガニは相変わらずあった。気になるがまだ踏み入れた事はない…。お泊まり料金で入ると何が起きるのか気になるところである。ビリケン様がマスクをしていらっしゃった。新世界、観光地の真ん中だがひとけがない。こういうのを見ると西成にいる感が高まる。この頃は自粛も迷走して...
『渋谷のほんだな』に出演させて頂きました 他
先日ラジオ『渋谷のほんだな』に出演させて頂きました。「朽ち果てた物の退廃美と、生きる人の力強さ」 こちらより聞く事が出来ます。お時間ある時是非聞いてみてくださいませ。と。繊研新聞7月25日「知見 知恵 知行」コーナーにて『ソ連の乗り物』を取りあげていただきました。 知人友人や見てくださった方達から戦車の墓場、船の墓場、廃造船所、表紙のロープウェイが特に気になると言われる事が多いです。何卒よしなに。『ソ連...
旅館鳳明館に宿泊した時のお話し(2020年夏) - Homeikan in Tokyo (Japanese-style hotel) -
2020年8月、終戦記念日。私は靖国神社へ向かっていた。コロナ禍を持て余し、暇をしていたのだ。こんな時でも靖国はいつもの終戦記念日なのだろうか…?と思ったらそうだった。因みにきちんとした参拝は長蛇の列になっていたので断念した。友人は1時間以上並んだとの事だった、気合いが違う。かき氷だけでも食べていけばよかった。とりあえず当時開店したばかりだった香港の軽食屋でアイスレモンティーとフィッシュボールを食す。今...
悲観レーベル『souk "3songs"』写真提供しました
この度、悲観レーベル『souk "3songs"』に写真提供しました。店売りは8月下旬(まだ正式には未定)開始予定、ディスクユニオン各店、高円寺BASE、高円寺BOY、大阪PUNK&DESTROY、大阪Revenge Recordsになります。souk "3songs"1200yen (tax inc.)Label:悲観レーベル @hikanlabel Rec:Nakamura @mestalla6666 Ikeda Ryosuke @ikd175 Mix:hisanePhoto:Ai Hoshino @satian39 Design:Hirano (yokujitsu)side A1. kaeru2. @side B1. ...
西郊ロッヂングに宿泊した時のお話し(2020年晩夏) - Nishiko Lodging in Tokyo -
2020年9月、まだまだ秋とは言い難い夏の終わり。コロナ禍に突入したこの年は、悉く海外への旅の扉が閉ざされ日本国内で閉塞感を味わいながら悶々とした日々を過ごしていた。こんな事をしていても仕方ない。せめて都内を旅行してみようじゃないか、敢えて。今まで近すぎて逆に足を運ばなかった場所へ行ってみよう。そうして降り立った先は東京都杉並区荻窪。西郊ロッヂング。もう名前からして惹かれて止まない。1938年(昭和13年)...
旧共産遺産 スポメニックシール 発売しました
旧共産圏に点在する朽ちゆくスポメニック(戦争記念碑)を、『旧共産遺産』著者自らが描き下ろした可愛いイラストがシールになりました!おまけとして、著者のSNSのアイコンやサインなどにも頻繁に登場している、カブトムシの描き下ろしイラストも追加!画像の点線に沿って型抜きしてあるので、スマホや冷蔵庫などいろんなところにペタペタ貼り付けてください!6月21日から7月2日まで開催中の『ソ連の乗り物』出版記念写真展@ネオ...
神保町で出版記念写真展開催します
『ソ連の乗り物』出版を記念して、6月21日から7月2日までネオ書房アットワンダー 神保町店にて写真展を開催します。期間中、会場では『ソ連の乗り物』掲載作品のプリント受注販売を行います。最終日の7月2日は在廊しますので、是非遊びにいらしてくださいませ。...
新刊『ソ連の乗り物』アレコレ
2023年6月6日、東京キララ社より『ソ連の乗り物』発売しました。それに合わせた書店特設コーナーなどのご紹介です。三省堂書店 神保町本店4階 K06-02棚新刊『ソ連の乗り物』のパネルを展開中。既刊『旧共産遺産』と併せて展開中。紀伊國屋書店 新宿本店5階 B15の棚新刊『ソ連の乗り物』のパネルを展開中。既刊『旧共産遺産』と併せて展開中。インターネットニュースサイト「よろず~ニュース」に当方のインタビュー記事がアップさ...
トビリシの蚤の市とソビエト建築、黒いハチャプリ - Tbilisi flea market and soviet architecture, black khachapuri in Georgia -
ドライブリッジ蚤の市。土曜日に訪れたが平日でもやっているとの事。まずはいつものお買い物から。値段は特別安いという感じではなかった。観光客相手だからかもしれないが。ジョージアにもそろばんがあるのだなと妙に感心した。ちなみにこの時見つけたもので一番刺さったのはソビエト時代のパスポートだった。この手のソビエト時代の骨董品などが好きな友人への手土産にと購入したが、縁もゆかりもない人間のパスポートなど何処か...
ドゥシャンベ廃線散歩 - Abandoned Line in Dushanbe -
タジキスタンの首都ドゥシャンベ。個人旅行のブログなどを見ていると何もない、つまらないと書いてあるものが多かったがそんな事は全くない。寧ろ掘れば掘る程お宝が眠っている(…と、勝手に信じている)(個人の主観です)。旧ソ連時代の何らかの痕跡を探し散歩していたら、ふとこんな場所へ出た。これは廃線跡か。少しだけ辿ってみる事にする。地元の人々の抜け道のようになっているこの場所、線路は北はセメント工場迄伸びてお...
タジキスタンの首都ドゥシャンベ、青空市場と人権のないトイレ - Dushanbe, capital of Tajikistan -
2023年のゴールデンウィーク、コロナ禍の収束が見えつつある今日この頃だがそれと反比例するかのように円安が加速する無慈悲な令和の皐月、誠に遺憾である。しかしだからと言って歩みを止める事は不可能である。円安を理由に自らの行動を制限する等…無理だ、死ぬ。心が死ぬ。というわけでタジキスタンへ行ってきた。旧ソ連構成国のひとつ、中央アジアに属する辺境とも言える国である。首都の名はドゥシャンベ、都市名は1961年迄は...
トビリシ建築散歩 - Tbilisi Architecture Walk in Georgia -
小高い場所から見下ろすライクパーク。トビリシのシンボル平和の橋(Bridge of Peace)の存在感が際立つ。ジョージア内では過去と未来が交錯する不思議な建築光景を各地で見る事が出来る。ライクパーク近く、印象的なガラス張りの公共サービスホール(Public Service Hall)。花びらのような11 枚の屋根が設置されているが個人的には未来のクラゲみたいだなぁと思った。政府庁舎とカフェが入っているので、一度くらい利用してみて...
『ソ連の乗り物』上梓します
この度東京キララ社より『ソ連の乗り物』を上梓します。概要1991年、巨大な社会主義国家・ソビエト連邦が崩壊。それから30年以上の年月が経過するが、その遺産の多くは廃れつつもかつての場所に鎮座し続けている。その退廃的な魅力をカメラに収め続ける写真家・星野藍による「旧共産遺産シリーズ」の第1弾となる『ソ連の乗り物』。車、鉄道、飛行機、船舶、ロープウェイ…など、西側諸国とは趣の異なる魅力的な風景を113点収録。今...
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑 - Denkmal für die ermordeten Juden Europas -
ポーランドからバスでドイツへ入国した翌日。兼ねてから気になっていた『虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑』へ行ってみた。(ホロコースト記念碑とも呼ばれる)無機質なグリッド状に並ぶ石碑に圧倒される。ベルリンのブランデンブルク門の南に開設されたホロコーストで殺されたユダヤ人犠牲者の為の記念碑である。様々な高さのブロックが2711基も連なっている。入り口に近いブロックは低いもので、中心部に進んでいく...
『廃墟マニアックス! 廃界本』寄稿しました
この度『廃墟マニアックス! 廃界本』に寄稿しました。●定価:2,200円(本体2,000円+税)●体裁:A5判/総192頁/オールカラー●発売:2023(令和5)年4月28日(金)※Amazon.co.jpは絶賛予約受付中、一般書店は28日(金)全国一斉発売●編:中田薫(『廃墟本』シリーズ著者)●発行・発売:株式会社大洋図書アマゾンでの予約はこちらから。〝廃墟的世界〟を「廃界」と呼ぶ廃なる世界に取り憑かれた廃界の旅人13人の饗宴!!廃界の旅人...
ジョージアの首都トビリシで美味しい食堂訪問 - Delicious food in Georgia -
トビリシ滞在最終日に訪れた食堂のお話し。長く深い地下鉄とも暫くさよならか…と思うと寂しくなった。私がジョージアへ初めて訪れた時は、他の場所での悪天候により訪問が遅れ思うように見て回る事が出来なかった。2回目も3回目もバタバタしていたので首都トビリシはあまり見る事が出来ず、4回目の訪問にして漸くじっくり見て回る事が出来た。5回目の訪問もそう遠くないうちにと願う。この時訪れたラチャ。ドゥカニと呼ばれる大衆...
ツミンダ・サメバ大聖堂とジョージアの不思議なレモネード - Tsminda Sameba Cathedral & Georgia's Mysterious Lemonade -
ツミンダ・サメバ大聖堂。アヴラバリの高台に立つジョージア正教会総本山。メトロの駅から少々歩く。デザインは公募で決まったという高さ約87mの巨大な教会。私が用があったのは同境内にあるラギゼ・ウオーターだ。ここでどうしてもレモネードが飲んでみたかったのだ。ジョージアのレモネードは不思議だ。1887年ミトロパネ・ラギゼにより考案されて依頼人々に愛され続けている。そのフレーバーはレモンだけではなくエストラゴン(...
トビリシの廃線跡 - Abandoned Railroad Tracks in Tbilisi -
トビリシの街を散歩している時、ふと建物と建物の隙間が気になった。「これは…廃線跡?」折角なので進める所まで進んでみよう。ゴミが捨てられ草が踏みしめられた様子を見ると日常的に近隣住人が通り道にしているのかな。こうした廃線跡散歩は川越の西武安比奈線跡を追いかけて歩いた時以来かもしれない。左側が工場で、右側が様々な施設やアパートがあるようなエリアだろうか。レバーを動かしたくなる衝動。年季は入っているが現...
ジョージアの新年の祝い - A Happy New Year in Georgia -
雪山で地獄を見た翌日、何事もなかったかのように首都トビリシで迎える穏やかな朝。地下鉄の駅から徒歩10分、住宅密集地ではあるが敷地は広く高低差があり、建物も庭もゆったりとしている。一般住宅の敷地内にある離れがホテルとなっており、長期滞在の出稼ぎの若者も住んでいた。この日はオーナー一家のご厚意で親族で行なう新年の食事会へ連れて行って頂ける事になった。トビリシの端の端、こんな街があるのかと初めて足を踏み入...
モスラヴィナ人民革命記念碑、バニヤ人民蜂起記念塔…旧ユーゴスラビア各地に残るスポメニック - Spomeniks that remain in various parts of the former Yugoslavia -
スポメニック。旧ユーゴスラビア各地に残る戦争記念碑の事だ。私がスポメニックを初めて見たのは確か2009年頃、インターネット上のとある記事を見た時だった。世界にはこんなにも奇妙な構造物が存在するのか。己の想像を超えたものがそこにはあった。それから約10年…自分自身でスポメニックを対峙する日が来るとは思ってもいなかった。モスラヴィナ人民革命記念碑。やはり初めてスポメニックの中で特に印象的な造形をしていたのは...
北朝鮮・中国との国境の町ハサン - Khasan(Russia), a border town with North Korea and China -
ロシアの真の僻地とは、一体何処だろうか。北極圏、カムチャッカ、チュクチ自治管区、マガダン、フランツヨシフ諸島…などなどきっと多くの僻地がある。そしてここハサンも、僻地のひとつではないだろうか。そしてハサンは原則的に外国人の入域を禁じており、ロシア国民しか入域が出来ない場所である。私が訪れた経緯はあえてここには記さないが、過去に某イベントで話した事があるので、そういった機会にまた詳しく話す事があるか...
アナクリアの退廃的光景 - The decadent landscape of Anaklia in Georgia -
正月明けのリゾート地、余りに寒々しい黒海に面したジョージア西部。夜明けも遅く、ゆっくりゆっくり日が登る。アブハジア国境が目前のこの地へ、いつかは行こうと思っていた。リゾート地…とは言っても、それは名ばかりであり。2010年、アナクリアはリゾート開発を急速に開始した。しかし2012年の政権交代後それは忘却の彼方へ…2016年には深海港の建設が始まりアナクリアの投資と雇用、地政学的な突破口が期待されたがそれも2020年...
ビシュケク散歩、ソビエト建築と不思議な物々 - Soviet Architecture , Strange Objects and Monuments in Bishkek -
ビシュケク中心部の公園をふらふら歩いていたら、不思議な形をした小さな建物に遭遇した。嘗て公園で営業していた売店跡らしい。ソビエト時代の不思議建築。続いてビシュケク2駅。ビシュケク1駅もあるが、専らこちらが主要駅だとか。発着する列車もない時間帯だったようで実に閑散としていた。そして駅構内の写真撮影はNGだと言われた。「うーん、じゃぁ天井の写真だけでもいい?」「天井ならいいよ」…という訳で内部の写真は天井...
ビシュケクに残る廃劇場(一部)とチャイハナ - An Abandoned Theater & Chaikhana in Kirghiz -
そこは実にひっそりと残る。首都ビシュケクの中心部のとある古い建物。様々な店舗が入る所謂雑居ビル的な建物だろうか。そこは元々小さな劇場だったという。劇場閉鎖後、高い天井のその部屋は二分割され、下半分は現在カフェバーに、上半分は未使用の侭埃を被っている。折角のソビエトモザイクが勿体無い。下に降りると確かにモザイクの下半分が確認出来た。カフェバーから聞こえる重低音が鈍くズンズンと劇場跡内に響く。とても首...
キルギスの面白い墓地、アラ・アルチンスコエ墓地 - Ala-Archa Cemetery in Kirghiz -
ビシュケクの静かな住宅地の一画に、ちょっと面白い墓地がある。まるでモニュメントを羅列した屋外美術館のような。アラ・アルチンスコエ墓地。(Алаарчинское кладбище)1948年に開業。1973年以来フルンゼ市議会の執行委員会の決定により、限られた土地しかないこの墓地には政治的及び公的地位を持っていたキルギス共和国の市民の埋葬と再埋葬を目的ととしている。政治家、芸術・文学・科学・教育の名誉ある労働者、そしてキルギ...
キルギスに残る廃工場とショッピングモールでの美味しいご飯 - An Abandoned Factory & Delicious Meal at the shopping mall in Kyrgyzstan -
6月、35度を超える夏日のキルギス。街の中心から離れた一画を歩いていると意匠を凝らした門構え。こちら廃工場入り口。嘗てはワイン工場だった。これと言って何が残っている訳ではない。ただ、敷地内にはホームレスと思われる居住の痕跡が。寝床、数時間前に食事をしたような痕跡が見受けられた。さっと引き上げ、昼飯時でもあったので新しめのショッピングモールへ向かった。「古い小さなレストランより、綺麗なショッピングモー...
キルギスに残る旧ソ連時代の工場 - Former Soviet-era Factory in Kyrgyzstan -
中央アジア構成国のひとつ、キルギス共和国。日本では専ら『キルギス』だが向こうへ行けば『キルギスタン』という名称で呼んでいる事に妙に感動を覚えた。首都ビシュケクに残るソビエト時代の工場。現在ビシュケクは再開発真っ最中でどんどん古い建物を壊して新しい街へと生まれ変わっているという。このソビエト時代の工場も一部は解体され一部は様々な企業により再利用されているが、この姿を留めるのはいつまでなのだろう。門に...
ゴリのジョージア料理レストラン - Georgian restaurant in Gori -
一見そこは、民家のように見える。ジョージアの何処にでもありそうな地方都市の一角。しかしそこは、レストランだった。外観から中が想像出来ない。そんな場所がジョージアには沢山ある。瑞々しいトマトのサラダ。ワインはジョージアの魂よ、と、下戸なのに結構飲まされた。しかし不思議とこの日は酔わなかった。とても美味しいワインだった。可愛い壺に入った豆の煮込み料理。名はロビオという。金時豆(キドニービーンズ)を使っ...
モンテネグロのスポメニック『スポメンの家』 - Spomen Dom in Montenegro -
写真集『旧共産遺産』の没スポメニックでもあるこちら、モンテネグロのスポメニック。名は『スポメンの家』という。バスを降り通りを歩いていると何やら建造物が。これがスポメンの家である。この角度から見ると、スポメニック感があまりない。入り口正面。コラシン市庁舎または文化センターとも呼ばれるスポメンの家は、モンテネグロのコラシンに位置するスポメニック複合施設である。1943年のモンテネグロ及びボカ人民解放国家反...
ハバロフスクの軍事基地跡から極東の果てコムソモリスク・ナ・アムーレへ - From the abandoned military base in Khabarovsk to the end of the Far East, " Komsomolsk-na-Amure " -
ロシア全土どんな僻地にも大小様々な廃墟と化した軍事基地が存在している。ハバロフスクに現在一部をアルメニア人農夫が使用しているもののそこそこ残留物が残る廃墟と化した軍事基地跡があると聞いたので行ってみた。…が、残念ながら不発だった。よくある話しだ。それどころか馬に襲われた。頭をガジガジ齧られたのだ。フードを被っていた為そこまでダメージはなかったものの、馬も人間の頭を齧るのだな…と、心因的衝撃を受けた。...