SATIAN/39 -廃墟の影片-

廃墟/旧ソ連/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル退廃放浪記。

湖に沈む村 3

霜華 天末に浄く山間から吹き下ろす烈風が容赦無く身体を打ち付ける。ふと、遠くに人影が見えた。最初に出逢ったアマチュアカメラマンの男性とは、別の男性のようだ。大荒沢駅ホーム跡付近で、相見える。村がダムに沈む頃、当時小学3年生だったという男性だ。こうして村々が水面から顔を出す時期になると、町から毎週末やって来ては様子を見るのだそうだ。懐かしそうに、束の間思い出を、語ってくださった。自分達が孫や次世代に...

2014
13

湖に沈む村 2

土の起源に足音覚ゆ秋田と岩手の境目。何時の日もこの地の空は、鉛色だと言う。風は強く吹き晒し、寒さは厳しい、生きるには過酷な土地だ。寒々しくもそこに大自然の尊大さを覚えずにはいられない。雄大なV字峡に、錦秋湖と云う湖がある。この湖は、人工湖だ。時は50年以上遡る。湯田ダムを建造するに辺り、この地一帯は大規模な移転をする事となった。幾つもの村々が、湖の底に沈んだ。10年に一度姿を現すも、木造の家々は基...

2014
12

湖に沈む村 1

10年に一度、其れは姿を現す。「10年に一度、姿を現す廃村がある」友人らからそう話しを聞き、いてもたってもいられなくなった。丁度別の友人が一時帰国し、北国へ行く約束をしていた。「ついでに、行かないかい?寧ろ私、ここに凄まじく行きたいんだ」と、振ると。「勿論だよ!」返事は軽快に。3週間引き続ける風邪を長々ズリズリ引き摺り、彼の地へと向かった。[ 続 ]...

2014
11