SATIAN/39 -廃墟の影片-

廃墟/旧ソ連/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル退廃放浪記。

グルジア・スヴァネティ地方の墓地を行く

スヴァネティ地方に限った話ではないのだが、グルジア、そしてコーカサス全土において、墓石に個人の顔や立ち姿を彫った墓が非常に多い。それが一般的な墓のようだ。初めて見た時はちょっと驚いた。夫婦2人の墓の場合、どちらかが先にお亡くなりになったら、墓石の半分が空いている。勇ましきコサック。墓の向こうに、復讐の塔。スヴァネティ地方の醍醐味だろう。屋根の下にある墓はお金持ちの方の墓だろうか。この墓地の一番奥に...

2017
03

グルジアの餃子・ヒンカリの美味しさに感動した夜。 +草むらのヒーロー。

一期一会、廃軀を湛え。素敵な草むらのヒーローを横目に、私は山奥から首都トビリシへと向かっていた。狭い乗り合いバスに限界まで乗客を押し込み、足の痺れを覚えながら7時間ほどの行程。腹も減ったので、適当にグルジア料理を食せるレストランを探す。が、ピザやジャンクフードは見かけるも正統派グルジア料理の店はなかなか見つからない。ここかな?と思い入った店は、看板は褪色し営業中か否かもよく分からない地下のレストラ...

2017
10

+ Tower of revenge + 復讐の塔が建つ村・メスティア 3

20世紀初頭迄続いた血腥い風習は過去の遺産。復讐の塔は今日も明日も穏やかに、町を見下ろす。町の至る所で豚、牛などの家畜が自由に闊歩し、自由に昼寝している。当初の天気予報では微妙な空模様だったようだが、すっかりと晴れ渡り気持ちの良い1日だった。そしてこの町もまた。飯が美味い事この上ない。手前はチーズとジャガイモのマッシュを混ぜ合わせたような食べ物。全力の高カロリーを感じる。フランス料理のアリゴのよう...

2016
20

+ Tower of revenge + 復讐の塔が建つ村・メスティア 2

9世紀から12世紀に建てられたという“復讐の塔”。スヴァネティ地方特有の、血腥い氏族間の復讐制度、“血の掟”。自分又は家族や親戚の一員が危害や侮辱などを受けた場合、殺害された場合。必ず相手又はその家族や親戚の一員に復讐を果たす。というものだ。目には目を、とは言ったものだが家族にまで復讐をするというのだから堪ったものではない。その復讐の的となった者達が籠城する為にあるのが、“復讐の塔”なのだ。塔の中部には、...

2016
19

+ Tower of revenge + 復讐の塔が建つ村・メスティア

グルジア、スヴァネティ地方。3000m級から5000m級の山々に囲まれているスヴァネティは、ヨーロッパの定住地域では最も海抜標高が高い。カフカース山脈の最高10峰のうち4つがこの地方に存在している為、深い峡谷に分けられた地域である。コーカサスは山を越えれば民族が変わると言われる所以。ズグディディという町から山を越え谷を越える事約4時間。山深きメスティアという町へ着いた。宿を取っていなかったのでドライバーにいい...

2016
18

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Столица Сухуми 首都スフミを練り歩き

それは、この国で一番のトラブルに見舞われた日であった。立場ある人間、ない人間、問わず古今東西変質者は存在するものだ。人間の欲の形に、際限なく無限の可能性を時として感ずる。車を飛び降り逃げた先には、例の如く廃墟があった。こんな時でも、物言わぬ傍観者はなんて美しいのだろう。「хороший !」ヨイモノ、に出会った時、そこに誰かがいれば必ずそう声に出した。廃墟に対してのхорошийは、時に訝しげ、時に苦笑い、時に満...

2016
10

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Русский суши! アブハジアで食べた”SUSHI”

スフミの植物園は古い歴史を持つ。日本でも見慣れた植物が数多くあり、曾ては手入れが行き届きそれはもう素晴らしい庭園が広がっていたに違いない。私が行った時は生い茂り放題で鬱蒼としているだけの林、という感じの光景が広がっていた。スパイ容疑を掛けられたものの無事解放されたものの。疲れた。なんだか無駄に別に大した事はしていないけど疲れた。そりゃそうだ、一時は強制送還させられかけたのだから。あー、夜ご飯、何に...

2016
09

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенное колесо обозрения 残された観覧車

それは通り過ぎるだけの何気ない日常風景。スポーツ少女たちは集いおしゃべりに花を咲かせ、男たちは暇そうに歩いたり座ったりしていた。目に入るも認識されない瑣末な背景のひとつなのだろう。多くの旧ソ連の名残は、あからさまな形で削り取られている。ここには珍しく、残っていた。保養地として栄えていた頃には、小さな遊園地として賑わいを見せていたであろうこの場所。観覧車を撮っていると、地元住人に誘われオフィスで軽食...

2016
15

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенный санаторий サナトリウムの廃墟

首都スフミから北へ約94キロ。温暖な亜熱帯気候。黒海に面し冬も降雪の少ない自然豊かな街。此処はロシア帝国やソビエト連邦の支配下にあったときには有名な保養地だった。1989年頃からアブハジアの独立運動が勃発し、1992年から1993年にはアブハジア紛争が起こる。民族浄化、亡命。人口は激減し街は廃れた。未だにロシアからの観光客はそれなりに多いように見える。復興は完全ではないだろう。至る所に、サナトリウムや皇族の豪邸...

2016
11

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Stand by Me "Останься со мной"

少年よ、大志を抱け。線路は続く。一線のみ現在も使われているかのような様子は見受けられる。が、此処までは旅客用の鉄道は確か通っていない筈だ。風の音、鳥の囀り、蜜蜂の羽音。いつの間にか少年たちの姿は見えなくなってしまった。嘗て機関庫として使用されていた巨大な建築物。管理人の男性は、暇を持て余しているようだった。小さな管理棟にはこれと言ってなにがあるわけでもなく。廃墟で洗濯物を干したり。絨毯を干したり。...

2016
08

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 海上集落から発展した街・オチャムチレ

首都・スフミより約53キロ離れた場所にある街、オチャムチレ。嘗ては18700人もの人口を誇ったものの、1992-1993年に勃発したアブハジア紛争により住民の多くが難民となった。街に完全に人は戻らず、閑散しきった廃れた街並みが広がる。行けども行けども、牛ばかり。途中すれ違う人々は…、…お世辞にも、治安の”良い”街だとは言えないだろう。「そんな高そうなカメラさげて。危ないよ」「ルーブルかドル換算だといくらなの?」優しい...

2016
05

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 廃墟をリノベーションしたレストラン

アブハジアには、変なオブジェが多い。廃墟をリノベーションしたレストランが、観光客集客エリア(…と言って差し支えないだろう)にある。外観は見事に廃であるけど、中はきちんときれいなレストラン。以前は内部はがらんどうとしていたらしい。レストラン内ではパーティーを行うグループさん、一人ご飯のお客さん、家族、カップル、友達グループと、様々な客層で溢れていた。小綺麗ではあるが照明のせいか何処となく暗い空気を纏...

2016
01

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Она будет смотреть с неба двери. 廃墟の屋上から街を見下ろす

丘の上から街まで一気に駆け下りる。昼間たっぷりと、雨が降ったバザーの帰り。笑えるけど笑えないトラブルの後、どうにも疲れたので雨が上がるまで昼寝をした。大体旅先で見る夢は変な夢か、前日の冒険の延長だ。目を覚ました夕刻には空は晴れ、明日の素晴らしい天気を期待させた。この街の地理は、神戸にちょっと似ている気がする。海と山に挟まれ霧が出る。黒海に面しているので冬でも比較的温暖だが、夏もそこまで暑くなる事は...

2016
28

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- スフミ・セントラル・バザー

その日は一日、雨だった。そろそろ買い物もしたいと思い立ち、土砂降りの雨の中スフミ・セントラル・バザーへと向かった。日用雑貨、嗜好品、貴金属に食材…雑多に様々な品が売られる。こういう場所は、本当にわくわくする。大好きだ。これはサーロだろうか。だとしたら黒パンと生のタマネギと一緒に、ウォッカを煽りたい気分だ。この国もまた、スパイス文化だ。ご家庭用贈答用として、いくつか購入した。その中でも格段気に入った...

2016
24