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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

アブハジアの廃ホテルと廃ロープウェイ - An Abandoned Hotel and An Abandoned Ropeway in Abkhazia -

嘗てのリゾート地は今も(紆余曲折を経て)ロシア人のリゾート地として機能している事はしているが、やはり全盛期の頃とは違うだろう。紛争後そこは一度廃れ果てた。コロナ後は国境を封鎖し一度ロシア側の国境を開いたもののやはりコロナが広がり…。グルジア側からは、あとどれ位入国出来ないのだろう。「インフルエンザ流行って入国出来なくなるとかあるんだねー」と見ていた頃が遠い日々のように感じる…。最後にアブハジアへ足を...

2020
21

アブハジアのリゾート地に残る廃別荘 - An Abandoned Villa in the Resort of Abkhazia -

今月発売する廃宮殿の写真集にアブハジアのスメツキー公の宮殿が載るらしい。そんな場所あったっけか…と思いサムネイルを見ると「あ、ここ行ったかも」自分の写真用HDDを漁って確認してみると…。…うーん、似ていると思ったが違うようだ。アブハジアを代表するリゾート地ガグラには嘗てスターリンの別荘も幾つか存在した。そのひとつは観光地となっており、そこは私も見学しに行った事がある。他にも観光地として開放されているスタ...

2020
13

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 青空と廃工場

戦争の爪痕を横目に、空ばかりが青く美しい。生まれ育ったわけでもないこの土地をただただ歩く時間が、何よりも愛おしかった。街でも村でも草原でも、この国は何処にでも牛の糞がある。首都や保養地は別だけども。廃工場の敷居内にも、「ずねぇばっこ。」のトラップが沢山あった。廃工場内の階段は、全て落とされていた。近所の子供達が遊んで怪我をしないようにする為らしい。にょきにょきした構造に魅せられ張り付く。アブハジア...

2018
25

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Столица Сухуми 首都スフミを練り歩き

それは、この国で一番のトラブルに見舞われた日であった。立場ある人間、ない人間、問わず古今東西変質者は存在するものだ。人間の欲の形に、際限なく無限の可能性を時として感ずる。車を飛び降り逃げた先には、例の如く廃墟があった。こんな時でも、物言わぬ傍観者はなんて美しいのだろう。「хороший !」ヨイモノ、に出会った時、そこに誰かがいれば必ずそう声に出した。廃墟に対してのхорошийは、時に訝しげ、時に苦笑い、時に満...

2016
10

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Русский суши! アブハジアで食べた”SUSHI”

スフミの植物園は古い歴史を持つ。日本でも見慣れた植物が数多くあり、曾ては手入れが行き届きそれはもう素晴らしい庭園が広がっていたに違いない。私が行った時は生い茂り放題で鬱蒼としているだけの林、という感じの光景が広がっていた。スパイ容疑を掛けられたものの無事解放されたものの。疲れた。なんだか無駄に別に大した事はしていないけど疲れた。そりゃそうだ、一時は強制送還させられかけたのだから。あー、夜ご飯、何に...

2016
09

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенное колесо обозрения 残された観覧車

それは通り過ぎるだけの何気ない日常風景。スポーツ少女たちは集いおしゃべりに花を咲かせ、男たちは暇そうに歩いたり座ったりしていた。目に入るも認識されない瑣末な背景のひとつなのだろう。多くの旧ソ連の名残は、あからさまな形で削り取られている。ここには珍しく、残っていた。保養地として栄えていた頃には、小さな遊園地として賑わいを見せていたであろうこの場所。観覧車を撮っていると、地元住人に誘われオフィスで軽食...

2016
15

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенный санаторий サナトリウムの廃墟

首都スフミから北へ約94キロ。温暖な亜熱帯気候。黒海に面し冬も降雪の少ない自然豊かな街。此処はロシア帝国やソビエト連邦の支配下にあったときには有名な保養地だった。1989年頃からアブハジアの独立運動が勃発し、1992年から1993年にはアブハジア紛争が起こる。民族浄化、亡命。人口は激減し街は廃れた。未だにロシアからの観光客はそれなりに多いように見える。復興は完全ではないだろう。至る所に、サナトリウムや皇族の豪邸...

2016
11

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Stand by Me "Останься со мной"

少年よ、大志を抱け。線路は続く。一線のみ現在も使われているかのような様子は見受けられる。が、此処までは旅客用の鉄道は確か通っていない筈だ。風の音、鳥の囀り、蜜蜂の羽音。いつの間にか少年たちの姿は見えなくなってしまった。嘗て機関庫として使用されていた巨大な建築物。管理人の男性は、暇を持て余しているようだった。小さな管理棟にはこれと言ってなにがあるわけでもなく。廃墟で洗濯物を干したり。絨毯を干したり。...

2016
08

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 海上集落から発展した街・オチャムチレ

首都・スフミより約53キロ離れた場所にある街、オチャムチレ。嘗ては18700人もの人口を誇ったものの、1992-1993年に勃発したアブハジア紛争により住民の多くが難民となった。街に完全に人は戻らず、閑散しきった廃れた街並みが広がる。行けども行けども、牛ばかり。途中すれ違う人々は…、…お世辞にも、治安の”良い”街だとは言えないだろう。「そんな高そうなカメラさげて。危ないよ」「ルーブルかドル換算だといくらなの?」優しい...

2016
05

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 廃墟をリノベーションしたレストラン

アブハジアには、変なオブジェが多い。廃墟をリノベーションしたレストランが、観光客集客エリア(…と言って差し支えないだろう)にある。外観は見事に廃であるけど、中はきちんときれいなレストラン。以前は内部はがらんどうとしていたらしい。レストラン内ではパーティーを行うグループさん、一人ご飯のお客さん、家族、カップル、友達グループと、様々な客層で溢れていた。小綺麗ではあるが照明のせいか何処となく暗い空気を纏...

2016
01

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Она будет смотреть с неба двери. 廃墟の屋上から街を見下ろす

丘の上から街まで一気に駆け下りる。昼間たっぷりと、雨が降ったバザーの帰り。笑えるけど笑えないトラブルの後、どうにも疲れたので雨が上がるまで昼寝をした。大体旅先で見る夢は変な夢か、前日の冒険の延長だ。目を覚ました夕刻には空は晴れ、明日の素晴らしい天気を期待させた。この街の地理は、神戸にちょっと似ている気がする。海と山に挟まれ霧が出る。黒海に面しているので冬でも比較的温暖だが、夏もそこまで暑くなる事は...

2016
28

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- スフミ・セントラル・バザー

その日は一日、雨だった。そろそろ買い物もしたいと思い立ち、土砂降りの雨の中スフミ・セントラル・バザーへと向かった。日用雑貨、嗜好品、貴金属に食材…雑多に様々な品が売られる。こういう場所は、本当にわくわくする。大好きだ。これはサーロだろうか。だとしたら黒パンと生のタマネギと一緒に、ウォッカを煽りたい気分だ。この国もまた、スパイス文化だ。ご家庭用贈答用として、いくつか購入した。その中でも格段気に入った...

2016
24

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 経済制裁を受けた街・トゥクヴァルチェリ

ロシアが昨年のウクライナ領クリミア強制併合に続いて、グルジア領のアブハジア自治共和国と南オセチア自治州も併合する動きを強めている…紛争が再び起きなければいいが…非常に心配である。アブハジアはグルジア領土内にあるとは言え、グルジアの空気感は一切なくどちらかと言うとロシアに近い雰囲気だ。しかしロシアとの合併は望んでなどいない。今後も目が離せない。1992年から93年にかけて起こったアブハジア紛争以降、経済制裁...

2016
22

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 旧国会議事堂の廃墟

首都スフミの中心に鎮座する、巨大な建築物。こんな街中なのに。旧国会議事堂の、廃墟だ。壁には、銃痕が数多く残る。当時の情景が目に浮かぶような痛々しい現状。前日の夜、街で出会った男の子と見た景色を再び。あの子20歳って言ってたけど、絶対14歳位だ。背伸びをしたかったに違いない。タバコをふかして、酒をあおって。日の入りは20時位で、とてもゆっくりだったけど、それを過ぎるとあっと息つく間に空は闇に染まる。...

2016
20

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 海上レストランの廃墟

アブハジアは黒海に面した国だ。嘗てソ連の保養地として栄えていた為、サナトリウムやそれに付随する施設が今は廃れ荒れるに任せているものも多い。雨上がりの夕暮れ時。ぼんやりと海岸沿いを散歩していると、レストランらしき廃墟に遭遇した。勝手にそこを、海上レストランと呼ぶ事にする。奥の方は、クルーザーの停泊場として使われていた。外壁は、銃弾の痕だらけだった。そう遠くない昔、この国この街では戦争があった。爆発物...

2016
16

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 廃墟の住人のおもてなし

アブハジアの、とある巨大廃墟を撮影・散策していた時の事。立派な建築物だ…惚れ惚れする程その外観も美しい。内部に入る場所を見つけた。この日の天気予報は雨だったが、見事に晴れた(途中通り雨だけはあったけど)。神様有難う、差し込む光が柔らかく美しい。階段を上がり3階で撮影している時だったろうか。廊下で背の高い男性に遭遇した。あ。取り敢えず挨拶をする。男性は陽気に挨拶を返す。平日の真っ昼間だというのにえら...

2016
14

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 連れ歩いているのは犬ではなく熊だった…時のおはなし。

ガグラ。アブハジアの首都スフミから北へ約94キロの所にある町。1世紀には古代ローマ、4-5世紀にはグルジア、14世紀にはジェノバの植民地となった。1308年にイタリア人ピエトロ=ヴィスコンティが作った地図にガグラの名がのっている。16世紀にオスマン帝国に占領され、1830年に帝国ロシア支配下になった歴史を持つ。ここは曾て、ソ連時代の保養地だった。今でこそ廃墟だらけとなってしまったが、今でもロシアからの観光客は訪れそ...

2016
13

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 首都・スフミ

無事アブハジア入国、乗り合いバス・マルシルートカで首都スフミを目指す。最後の降車客は私だけとなった。バス、というか、バンに詰め込まれる形だ。宿泊先に荷物を置いたら、まずは銀行、続いて外務省へと向かう。ここで無事ビザを取る事が出来なければ、不法入国になってしまう。流石に幾ら私でも、不法入国は躊躇う。外務省内にはこれと言った案内板も出ておらず、ウズベキスタン、キルギス、ロシア等旧ソ連の国々からやってき...

2016
02

未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 国境を越えて

「馬車の中からなら写真を撮っても大丈夫だ。軍人に見つからないように」御者のおじさんは、気さくで朗らかで、そしてスケベなオヤジだった。”曖昧な”国境越え、というものはこれで2回目だ。しかし今回は、やや物騒な香りを感じる。入国してしまえば、そんな事はなかったのだけど。道路は整備される事なく、ボロのまま。橋の上は大きな水たまりが出来ている。雨雲迫る中国境へとやってきたが、早く着いてしまった為暫し馬車で仮眠...

2016
01