モルゲッソヨに会いに行ったあの日 - BULLET MAN in KOREA(총알맨 , 모르겠어요) -
2018年平昌オリンピック開幕前、日本のインターネット界に激震が走った。韓国・平昌アルペンシアリゾートのメインプレスセンター前は各国の報道陣の集合場所になっていた。その前に鎮座するとある3体の像が話題となったのだが…。そう、“モルゲッソヨ像”だ。私はそれを見て思った。行くしかない、と。先ずは最寄りの地方のターミナルとなるバス停へ。結構な時間がかかった…2、3時間はかかっただろうか。朝8時代のバス、席はそこそこ...
再開発迫るタルトンネ・104マウル 2 - 104 Village in Seoul, Korea -
何十年も開発の手が入らなかったタルトンネ、104マウル。日本でいう所の昭和レトロの感覚に近いかもしれない。2009年に再開発整備地域に指定されたが、2014年担当会社が辞退した為事業は一旦停止。しかし320世帯、地域全体の1/3の世帯が出て行った為多くの家屋が廃墟と化した。ふと、気配を感じたら。猫がいた。随分と人に慣れている。すりすりしてきた後屋根の上でのひなたぼっこ。外猫か野良猫か。野良猫というより地域猫と言う...
再開発迫るタルトンネ・104マウル - 104 Village in Seoul, Korea -
登山道への案内板。ひとつだけ、英語表記が添えられていないものがある。104マウル。それはタルトンネと呼ばれる場所。高台より摺鉢のような斜面に這う街を臨む。見るからに寂れた光景に一瞬歩みが止まる。104マウルは、1960年後半の都心開発により清渓川(チョンゲチョン)等から移転を余儀なくされた人々住み着いた街だ。こうした集落、タルトンネの歴史は1950年代に遡る。日本の支配下から解放されるのも束の間朝鮮戦争勃発により...
第三軍需支援司令部線 - 仁川に静かに佇む軍用線・富平線 -
地下鉄1号線と仁川地下鉄1号線の二路線が交わる富平駅(プピョン駅)から、今は殆ど使われていない軍用線がのびている。第三軍需支援司令部線。通称・富平線。最初見た時は廃線かな、と思ったけど、月に1、2回は電車が通るらしい。1938年に作られた日本陸軍の造兵廠が嘗てここにあった。1945年以降は米軍部隊が駐留したが、1970年代ソウルの龍山(ヨンサン)への移転に伴い土地は韓国へ返還。現在韓国の軍施設として使用されている...
구룡마을 - 韓国最大のスラム街・九龍村 - 3
九龍村の住宅は、廃墟と化したものも少なくない。住人を失った家は役所の手入れがすぐ入るのか、網がかけられ立入禁止となっている。もう少し散策を続けようとおも思ったが、夥しい数の小蝿に心が折れる。一期一会。実はここ江南区には、もう一つスラム街がある。九龍村から徒歩15分程。駅の目の前にある公園内に入っていく。鬱蒼と茂る植物、湿度がじっとりと上がるような気がする。ダルト近隣公園。団地と教育施設に囲まれた場...
구룡마을 - 韓国最大のスラム街・九龍村 - 2
ある家は屋根が南瓜の蔓に侵食され、ある家は住人を失い廃墟と化す。人間廃墟の掃き溜めの村。しかし身形が汚い、というわけではない。普通だ。至って普通だ。人間とは、何と逞しいのだろう。脆弱な社会保障制度により生まれる格差社会。しかしここにも、再開発の手が伸びようとしている。2016年から着手されるらしいが、今の所そのような様子は見受けられなかった。九龍村一帯を再開発する話は、実は20年以上前から出ているら...
구룡마을 - 韓国最大のスラム街・九龍村 -
江南、と聞いて、殆どの人が数年前に流行った江南スタイルを思い浮かべるのではないだろうか。あの爆発的(?)なブーム(??)は一体何だったのだろう。当時もよく分からなかったし今となってもよく分からない。江南スタイルはともかく江南はサムスンをはじめと様々な大企業のビルが並び、1億円クラスの高級マンションが建つセレブの街だ。韓国旅行へ来て自分が泊まったホテルは江南エリアにあった。地下鉄で3駅のところに韓国...
“廃遊園地”のテーマパーク、Yongma Land(ヨンマランド)
Yongma Land(ヨンマランド)は、1983年にオープンしたファミリー向けの小さな遊園地だ。地元の家族連れに人気の遊園地だったが、1989年に大規模なアミューズメントパーク・ロッテワールドがオープン。次第に客足が遠退きヨンマランドは2011年に閉園。しかしその後も、荒廃した雰囲気を売りに“廃遊園地”のテーマパークとして営業されている。韓流ドラマやK-POPアイドルに人気のロケ地でもあり、休日にはコスプレイヤーなども撮影を...
鍾路真空地帯
キンパ(韓国風海苔巻き)をもしゃりと食した。キンパは現代風にアレンジされたモダンなキンパだった。イカスミのキンパ、スパムのキンパ、とびっこのキンパ。マヨネーズはお好みで。茹だるような暑さ。韓国は涼しいと思っていたのだかそんな事はなかった。湿気が酷く寧ろ東京より暑く感じる。爽やかなブルーのパイナップルサイダーを一気に飲み干す。喉が、躰が乾ききっていた。腹を満たした後地下鉄を乗り継ぎ目的地へ。小規模な...
日帝残滓・三菱列 2
小さな家が長屋のように連なるレトロな光景。現在社宅の存廃論議が持ち上がっている。スラム化した治安の問題。景観美化の問題。改装を推進する主張。完全撤去の主張。歴史的意義の為保存をする主張。当時の仁川では珍しく下水道が完備された建物であったという三菱列社宅。この日帝残滓の痕跡が建て替えられる日も、そう遠くないのかもしれない。しかしこの住宅街の中に入ると、街中である事にも関わらず妙な静寂に包まれる。周り...
日帝残滓・三菱列社宅
初めての韓国洄遊。高層ビルが建ち並び網目のような地下鉄網。ソウルは言葉の違う東京のようだ。故に余り“トリップ感”を感じない。一目瞭然な都市構造。地下鉄を乗り継ぎ約1時間。その日私は仁川市富平区へ足を運んだ。唐辛子の赤色が目に飛び込む。焼き焦がれるような猛暑日。汗は絶え間なく吹き出し日本では聴かぬ蝉の声が反響する。ソウル近郊のベッドタウンとして栄えるそこは、日本統治時代から陸軍の造兵廠があった場所だ。...
판문점 -軍事境界線、板門店-
朝鮮半島中間部に位置する朝鮮戦争停戦のための軍事境界線上に存在する、板門店。60年以上に渡る朝鮮の南北分断の象徴。板門店は、ソウルの北約80km、平壌の南約215kmに位置する。朝鮮戦争の停戦ラインである軍事境界線(DMZ-DeMilitarized Zone又は非武装区域とも言われる)上にあり、周囲は南北両国の共同警備区域となっている。韓国軍を中心とした「国連軍」と朝鮮人民軍が境界線を隔てて顔を合わせ警備にあたっているのだが、...