遺棄された義足工場 - The Abandoned Artificial Leg Factory -
何の変哲もない閑静な住宅街。何処にでもありそうな実に普通の住宅街。そんなありふれた日常の中に、唐突に現れた非日常的光景。義足工場の廃墟。初めて遭遇する種類の廃墟だった。足を踏み入れた瞬間、ガサガサッ!と小さな動物が動く影が見えた。猫だ。野良か外猫か、どちらかは分からないが猫の溜まり場になっているようだった。荒れ果ててはいるものの、当時の情景が目に浮かぶような、古い町工場。絶え間なく雨が降り続く日だ...
T水力発電所 2
萍水相逢。T水力発電所。インターネットの大海原でも殆ど情報のないこの場所。大正末期に造られた繊維産業関連の水力発電所らしい。(ふゅーりーさんのブログより)この地域は戦前、陸軍の飛行場があり工場等も多かった。小ぶりながらも妙に居心地が良く、ぼんやりと居座ってしまった。夏の季節は山蛭がいるらしいので軽く恐怖…。廃墟で様々な事はあったけど、未だに蛭は未体験。このままエンカウントせず平和に生きていきたい。...
T水力発電所
山窮まり水尽く。あゝ、そういえばまだ足を運んでいない彼処は、今どうなっているのだろう。そんな好奇心を胸に、私は友人と共に川を越えた。水位の割には流れが強い。もしこれが1メートルあったなら。津波の事を想像してしまった。ウェーダーを使用する探索は何年振りだろう。最後に使ったのは東北で。紅葉がとても美しかったが大量のカメムシがいた。うっかりウェーダーに紛れ込んだ事に気がつかず東京までお持ち帰りしてしまっ...
N変電所 夏凪 一
朱炎吹き荒れ夜は凪[ 続 ]関東は梅雨が開け連日煉獄の茹で釜のような灼熱地獄です。暑中見舞い、申し上げます。なんとかこの夏を、生き延びましょう。私は或る意味生きて帰って来れるかの冒険をしてくる…かもしれません(8割嘘2割本当)喫茶店で母と今日のプレートセットを注文したら、メインディッシュに白身魚・おおぶりの海老・おおぶりのホタテのソテーが提供されました。母は白身魚を見るなり「特に魚の名前が明記されて...
蘭薫遺し、旅立つ 虚空と薫 壱 - 日本特殊鋼管 大湊工場 -
壊れる楽園 見届けた結末「幸せは、過ぎ去りし後に光を放つ」いつか何処かでたぶん奴から聞いたその言葉は、終わらない悪夢のように、耳から、頭から、目から、心から、離れない[ 続 ]...