八画文化会館叢書vol.06 チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~
八画文化会館さんより、『八画文化会館叢書vol.06 チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』を出版して頂ける事となりました。8月6日(土)の発売です。震災後、様々な想いを抱き訪れたチェルノブイリ。その後自ら赴く事を自粛していた福島の禁止区域へ。チェルノブイリと福島。「どうして一緒にするの?」「同じにする事の意味が分からない」…、ああこれは、表には出してはいけないものなんだ、世の中...
未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенное колесо обозрения 残された観覧車
それは通り過ぎるだけの何気ない日常風景。スポーツ少女たちは集いおしゃべりに花を咲かせ、男たちは暇そうに歩いたり座ったりしていた。目に入るも認識されない瑣末な背景のひとつなのだろう。多くの旧ソ連の名残は、あからさまな形で削り取られている。ここには珍しく、残っていた。保養地として栄えていた頃には、小さな遊園地として賑わいを見せていたであろうこの場所。観覧車を撮っていると、地元住人に誘われオフィスで軽食...
未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Заброшенный санаторий サナトリウムの廃墟
首都スフミから北へ約94キロ。温暖な亜熱帯気候。黒海に面し冬も降雪の少ない自然豊かな街。此処はロシア帝国やソビエト連邦の支配下にあったときには有名な保養地だった。1989年頃からアブハジアの独立運動が勃発し、1992年から1993年にはアブハジア紛争が起こる。民族浄化、亡命。人口は激減し街は廃れた。未だにロシアからの観光客はそれなりに多いように見える。復興は完全ではないだろう。至る所に、サナトリウムや皇族の豪邸...
未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- Stand by Me "Останься со мной"
少年よ、大志を抱け。線路は続く。一線のみ現在も使われているかのような様子は見受けられる。が、此処までは旅客用の鉄道は確か通っていない筈だ。風の音、鳥の囀り、蜜蜂の羽音。いつの間にか少年たちの姿は見えなくなってしまった。嘗て機関庫として使用されていた巨大な建築物。管理人の男性は、暇を持て余しているようだった。小さな管理棟にはこれと言ってなにがあるわけでもなく。廃墟で洗濯物を干したり。絨毯を干したり。...
未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 海上集落から発展した街・オチャムチレ
首都・スフミより約53キロ離れた場所にある街、オチャムチレ。嘗ては18700人もの人口を誇ったものの、1992-1993年に勃発したアブハジア紛争により住民の多くが難民となった。街に完全に人は戻らず、閑散しきった廃れた街並みが広がる。行けども行けども、牛ばかり。途中すれ違う人々は…、…お世辞にも、治安の”良い”街だとは言えないだろう。「そんな高そうなカメラさげて。危ないよ」「ルーブルかドル換算だといくらなの?」優しい...
未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 廃墟をリノベーションしたレストラン
アブハジアには、変なオブジェが多い。廃墟をリノベーションしたレストランが、観光客集客エリア(…と言って差し支えないだろう)にある。外観は見事に廃であるけど、中はきちんときれいなレストラン。以前は内部はがらんどうとしていたらしい。レストラン内ではパーティーを行うグループさん、一人ご飯のお客さん、家族、カップル、友達グループと、様々な客層で溢れていた。小綺麗ではあるが照明のせいか何処となく暗い空気を纏...