921地震教育園 貳
2013
12
地震に関する資料展示及び住民への防災意識啓蒙を目的として建設された博物館、921地震教育園。
旧光復国中跡地の地下を車籠埔断層が横断しているため、921大地震では校庭が隆起し、光復国中の校舎及び校庭は全壊の被害を受けました。
生きた教材としてそのまま保存、公開する事となった教育園、驚く程まるっと、当時の姿を留められているのでした。

地震により倒壊した光復国中プール跡を、親水池として再利用しております。
9と2と1のオブジェを配置。

教育園には日本語に明るいスタッフさんもいらっしゃいます。
まずは車籠埔断層保存館から。

地震学をテーマにした展示ゾーン。
921大地震ではどのくらいの余震があったか、地震のエネルギーについて、断層の種類、台湾とプレートの関係……等々事細かに展示されております。

M7.6の921大地震のエネルギーは、広島に投下された原子爆弾45個分に相当するそうです。

大地震を引き起こした原因「車籠埔断層」。
世界でも珍しいこの断層は国際地質学界が注目する活動断層となりました。
車籠埔断層は光復中学校のグラウンドと校舎を通り抜け、校門や道路も抜け北へ延伸していきます。教育園での断裂の長さは340m、平均した陸揚げの高さは2.5mになります。自然災害の爆発力をこれだけで立証しております。


車籠埔断層は南から北へと延べ105kmもあり、南投県竹山鎮の桶頭から北へ延伸して、苗栗県卓蘭鎮の内湾まで続きます。台湾中部を貫通している形です。
ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界上にあり、複雑な地質構造を示している台湾もまた、日本と同じく地震大国です。



〔続〕
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