
「ここは、都会の真空地帯だよ」
一年半前、校了ままならないんだかなんだかとりあえず忙しそうだけど隙間がありそうなK氏を誘い真夜中忍び込んだ。
星が綺麗な夜だった。そうでもなかったかな。記憶は曖昧だけどその場所は星空を丸ごと、吸い込んでしまいそう、そんな場所だった。
もう、行けないけど。
でも、もう一度だけ、星を吸い込んだあのお皿の上に、墜ちたい。
明け方雨が降った。桜の花弁があっと云う間に散った。
だから、K氏にあの景色を見せる事が出来て、本当に、嬉しかったんだ。


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