Чорнобиль сім -チェルノブイリ 7- колгосп コルホーズ
2014
09
コルホーズ、とはソビエト連邦の集団農場のことである。
勤労農民が自発的に連合して共同経営を行う団体と定義される、半官半民で協同組合に近い経営体系だ。
全て国有であったソビエト連邦における大規模国営農場の事は、ソフホーズと云う。

無料で提供された国有地を耕作を行った。主な農機具・家畜等は共有で、労働者は組合員としてコルホーズで農作業を行い賃金を得る。その生産物は政府に売却する組合組織による経営であった。
各個人の住宅に付属した小規模農地で野菜の栽培、家畜の飼育が可能で、個人で生産した生産物は自由な販売を認められていた。

ゾーン内でも、そんなコルホーズ・ソフホーズが至る所で見られる。

今となってはらんどうの家屋や管理棟、畜舎、荒れ果てた農地が車で過ぎ行く景色にただただに溶け込んでいる。

原発事故があった為、ゾーン内のコルホーズ・ソフホーズは放棄されたが、どちらにせよ歴史の中で消えて行く存在ではあった。
私も学校の授業で恐らくは習った筈なのだけど…高校では日本史をガッツリ専攻していた為か余り記憶にないこれら集団農場…。
社会主義なので個人の成果が自己利益に結びつかず生産意欲が低かった為、農業の大規模化・国営化はとても効率が悪かったと云う。「頑張っても頑張らなくても同じ給料」それなら確かに、私でもきっと頑張らない。
この政策を押し進める為に、政府は障壁となるリーダー格になりそうな骨のある農民に「富農」、コルホーズ加入をしぶる農民に「富農支持者」と云うレッテルを貼りつけ有害分子とし、銃殺、強制収容、シベリアの密林の奥に強制移住させて皆殺し、更には数千人単位で沼の中に農民を沈め殺したと云う話しもあるものだからとんでもない。
その後集団作業の不手際続きに天候不順もあいまって、1932年、1933年には大飢饉が襲った。ウクライナの穀倉地帯だけでも一日平均二万五千人、一年で七百万人以上の餓死者が出たという…。
そんな中でも五ヶ年計画達成の為種もみまでも農村から強奪し食糧輸出を強行、飢えに飢えた農民は駅を目指したが都市へ移動する事が赦される事は無く、駅周辺には餓死死体が累々と横たわった。
…チェルノブイリとは関係無い話しとはなりましたが、こんな血腥い歴史があるとは今の様子からじゃとても思えないので、旧ソ連の恐ろしさを改めて感じるのでした…。
[ 続 ]



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