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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

Чорнобиль десять -チェルノブイリ 10- Образ пожежників,Ликвидатор 消防士達の像、リクビダートル

2014
30



ゾーン内には原発事故をテーマにしたモニュメントが至る所に展示してある。



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その中の一つに、「世界を救った人たち」と記された、消防士達を象った像がある。



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消火や放射能流出防止の為、事故直後に突入していった消防士たち。



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バルブを閉める人、放射線を測定する人、放射線の影響で吐き気をおこしうずくまる人、それを気遣う人。
石像は、高線量の放射線の飛び交う中、放射線のことを知らされず無防備のままに作業にあたり、急性放射線障害で2週間以内に亡くなった28人の消防士の活動を讃えている。
これらは民間の方が作り上げたものだ、との事。
表情が生々しく、当時の切迫した状況を感じる、重い力のある石像だ。



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事故処理作業に従事した人々は「リクビタートル」(ロシア語で後始末をする人を指す言葉)と呼ばれ、旧ソ連(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア3国)で約60~80万人とされる。軍人も含まれるが大半は消防士たちだった。各地区の教会の近くには決まって彼らの墓がある。
事故処理作業時のリクビタートルの平均年齢は約35歳だと云う。
リクビダートルの死者数を、IAEA(国際原子力機関)は2005年「被曝が原因で死亡した可能性があるのは50人」と発表したが、その数字を多くの専門家が否定し、実際は1万人以上の死者が出ているのではないかと言われている。
当時多くの死因が事故処理作業とはされず、長い間伏せられてきた。
結局死亡者の正確な人数、総被曝量は分かっておらず現在も多くのリクビダートルが心臓病、高血圧、慢性疲労、慢性頭痛などの疾病に苦しんでいる。

リクビダートルはソビエト連邦政府から表彰され、危険な労働の代償として、住居・高額の年金・無料の医療などが生涯保障された…筈だった。
ソビエト連邦崩壊の後、これらの特権は分離独立したウクライナ・ロシア・ベラルーシの政府に引き継がれたが、経済の低迷が続く中、年金が十分に払われず、医療費の自己負担で大きく生活を圧迫されている。



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汚染地域は恒常的に乾燥している地域の為年数回程度だが山火事が起こる。
放射性物質…セシウム137等を溜め込んだ植物や土壌が燃えあがる事で放射性物質が空気中に撒き散らされると云う。
その空気を消火作業にあたる消防士たちが吸い込んでしまい、内部被曝を起こしてしまう。1回の火災での被曝量は10ミリシーベルト(日本の一般人における年間被曝制限値の10倍)と見積もられ、健康が懸念されるレベルである。
事故から28年経った今も、悲劇は、終わらない。









[ 続 ]



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