九秋の水端
2014
04
フミさんが施設に入ったという話しを、夏の終わりを感じずにはいられない9月3日水曜日、縁側で桃と茄子の漬け物に齧り付き前歯を無防備に剥き出しにしている時に、聞いた。





フミさんは、お正月やお盆な何の気無しの休みの日なんかに、決まって祖母の家に来ては晩酌をしていたねぃさんで、親戚ではないけどちょっとしたお婆ちゃんみたいな存在だった。
誤摩化しの利かない鋭く力強い眼光と酒灼けした声に凄みを感じ、何となく怖かったけど喋ると優しくて、カラカラと男前で、そして歳はいってるけど綺麗な人だった。
何処の誰かも私は知らなかったけど、改めて父に聞くとどうやら祖母の舎弟、義兄弟のような存在だったらしい。
そして薄々そうだったんだろうなと感じていたフミさんの人生を少しだけ知った。






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