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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

ダムに沈んだ村・大荒沢 - 湖に沈む村

2014
11



10年に一度、其れは姿を現す。



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「10年に一度、姿を現す廃村がある」
友人らからそう話しを聞き、いてもたってもいられなくなった。
丁度別の友人が一時帰国し、北国へ行く約束をしていた。
「ついでに、行かないかい?寧ろ私、ここに凄まじく行きたいんだ」
と、振ると。
「勿論だよ!」
返事は軽快に。
3週間引き続ける風邪を長々ズリズリ引き摺り、彼の地へと向かった。






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秋田と岩手の境目。
何時の日もこの地の空は、鉛色だと言う。
風は強く吹き晒し、寒さは厳しい、生きるには過酷な土地だ。
寒々しくもそこに大自然の尊大さを覚えずにはいられない。
雄大なV字峡に、錦秋湖と云う湖がある。
この湖は、人工湖だ。
時は50年以上遡る。
湯田ダムを建造するに辺り、この地一帯は大規模な移転をする事となった。
幾つもの村々が、湖の底に沈んだ。
10年に一度姿を現すも、木造の家々は基礎も残るか残らないか。記憶の中でしか憶いは、残らない。






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山間から吹き下ろす烈風が容赦無く身体を打ち付ける。
ふと、遠くに人影が見えた。
最初に出逢ったアマチュアカメラマンの男性とは、別の男性のようだ。
大荒沢駅ホーム跡付近で、相見える。
村がダムに沈む頃、当時小学3年生だったという男性だ。
こうして村々が水面から顔を出す時期になると、町から毎週末やって来ては様子を見るのだそうだ。
懐かしそうに、束の間思い出を、語ってくださった。
自分達が孫や次世代にこの村の事を伝えられる、最後の世代だと言っていた。
男性の齢は65歳。上の世代は高年齢化し、下の世代はそもそも当時幼過ぎて記憶が残っていない。
写真に、残してください。
そう言って、くださった。

「なんだかこんな景色を見ていると、猿の惑星を思い出すよ」
丁度私たちが、車の中から村を見下ろしながら喋っていた事を、男性も言った。
それ、私たちも丁度話していました。と笑う。

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 湯田ダム錦秋湖廃村大荒沢廃墟遺構

2 Comments

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今更。山行がのネタを下手に扱うと信者が押し寄せてくるで。

2014/12/12 (Fri) 05:07 | EDIT | REPLY |   

星野 藍  

>名無のお方

山行がにも載っていましたね。お恥ずかしながらここへ行った後に気がつきました。申し訳ありません。

2014/12/12 (Fri) 12:13 | EDIT | REPLY |   

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