土の起源に足音覚ゆ






秋田と岩手の境目。
何時の日もこの地の空は、鉛色だと言う。
風は強く吹き晒し、寒さは厳しい、生きるには過酷な土地だ。
寒々しくもそこに大自然の尊大さを覚えずにはいられない。
雄大なV字峡に、
錦秋湖と云う湖がある。
この湖は、人工湖だ。
時は50年以上遡る。
湯田ダムを建造するに辺り、この地一帯は大規模な移転をする事となった。
幾つもの村々が、湖の底に沈んだ。
10年に一度姿を現すも、木造の家々は基礎も残るか残らないか。記憶の中でしか憶いは、残らない。
[ 続 ]


スポンサーサイト
廃墟錦秋湖湯田ダム廃村遺構大荒沢