DOBOKU2015 -希望のかけ橋- 2
2015
30
雨過天晴 晴朗高らか浪穏やか









ベルトコンベアのすぐ横に、「奇跡の一本松」がある。
太平洋につながる広田湾に面した高田松原は、350年に渡り植林されてきた約7万本の松の木が茂り、陸中海岸国立公園(現三陸復興国立公園)や日本百景にも指定されていた景勝地だった。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の直撃を受け、ほとんどの松の木がなぎ倒されて壊滅した。
しかし、松原の西端近くに立っていた一本の木が津波に耐えて、立ったままの状態で残ったことから、この地震と津波が陸前高田市のみならず広く東日本の太平洋沿岸地域一帯に甚大な被害をもたらした中にあって、この木は震災からの復興への希望を象徴するものとしてとらえられるようになり、「奇跡の一本松」や「希望の松」などと呼ばれるようになった。
実はこの松、既に枯死している。
海水をかぶった木は、根っこから死ぬ。塩が根を腐らせるのだ。
幹を防腐処理し心棒を入れて補強したり枝葉を複製したものに付け替えたりするなどの保存作業を経て、現在の姿を保っている。まさにサイボーグ。
正直、この目で見る迄はたかだか松一本にそんなに銭をかけるのだ、と思っていた。
けれど。
実際この場に立ってみると。
なにもなくなっただだっぴろい大地に残る、目に見える希望の象徴。
人には、頭で分かっていても心では分かる事が難しい、そんな事が多々有る。
そんなとき、目に見える形になっているものがそこにあるとないとでは、だいぶ違う気がする。
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