未承認国家・アブハジア自治共和国 -Аҧсны Аҳәынҭқарра- 海上集落から発展した街・オチャムチレ
首都・スフミより約53キロ離れた場所にある街、オチャムチレ。
嘗ては18700人もの人口を誇ったものの、1992-1993年に勃発したアブハジア紛争により住民の多くが難民となった。
街に完全に人は戻らず、閑散しきった廃れた街並みが広がる。


行けども行けども、牛ばかり。
途中すれ違う人々は…、…
お世辞にも、治安の”良い”街だとは言えないだろう。
「そんな高そうなカメラさげて。危ないよ」
「ルーブルかドル換算だといくらなの?」
優しいおじいさんが、声を掛けてくれた。
帰りは彼らの車に乗り合わせてくれ、最寄りのバス停迄送ってくださった。


青空ばかりが、美しい。


廃墟となったビルから、暫し街を俯瞰する。
この街が、アブハジアが完全なる復興に辿り着く日は来るのだろうか。



平日だというのに特に仕事をする事もなく、ふらついた働き盛り世代も多く見られる。
真昼間から完全に出来上がった酔っ払いも。そう珍しい光景ではない。

このまま走り続けていた車。
彼は一体何処にへ行くのだろう。
[ 続 ]


