うつろいゆく都市・大連 -文化台に残る日本人街の痕跡-
2016
18
興亡盛衰。

高台に並ぶ一戸建ての住宅。
大連を代表する景勝地として知られる老虎灘へ向かう解放路沿いの高台にも、嘗ての日本人街が存在している。
それが文化台だ。

中国の中央政府が着手した「東北振興」政策。
それは古き良き大連の景観を次々と破壊していく事となる。


…ヤギ?

この時、2015年5月。
二度目の中国、初めての日本人街に触れる旅に鼓動の高鳴りを隠せなかった。





今思えば、不用意に道端に叩き出されたゴミ、家具が、やたらと多かった。
あれは、強制立ち退きの準備だったのかもしれない。

古きものが失われていく事の、儚さと悲しみ。
そういった感情は、大連の若者達にも共通する感情でもあるらしい。
1980年代生まれの「愛国主義教育」を最初に受けた世代たちが、歴史的認識をすり抜け日本家屋にノスタルジーを抱く。
私たち日本人も、また然り。


[ 続 ]



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