トルコの東の果て、アルメニアとの国境の街・カルス - Kars -
前日まで、猛吹雪のナゴルノ=カラバフにいたなんて。
前日までの国境越えが、すでに夢のようだった。
遠いようで近い。近いようで遠い。
トルコはアルメニアのすぐ隣だ。だけど国境は、全て断絶されている。越えられる事はまずない。
アルメニア国境地帯にあるトルコ最大の都市、トルコの東の果て・カルスという街に私はいた。

ホテルに着いてすぐ、シャワーを浴びた。あたたかい。約3日ぶりに、あたたかいシャワーを浴びた気がする。
ナゴルノ=カラバフのホテルは、外が氷点下10度以下でもシャワーはほぼ水、という具合だった。あゝ当たり前に当たり前の事が存在するって素晴らしい。

街については特になにも調べていなかった。アニ遺跡に行くという目的さえ遂行出来ればあとはなんとかなるかな、と。
アニ遺跡は別途ブログに掲載しているので、是非ご覧ください。私が、人生の中で行きたいと心の奥から渇望し足を運んだ場所ベスト3のひとつです(なんだそれは

トルコについても、この時は殆ど何も調べていなかった。そういえばアゼルバイジャンの国旗があったな。アゼルバイジャンとトルコは兄弟なんだよ、と、アゼルバイジャンで出会った女の子が言っていた。


カルスは再開発?もしている様子のある、古い、古い街だった。


人は皆懐っこく優しく、ロシア建築も残っている。トルコ語は全くわからないけど不思議と意思の疎通は出来る。大人っぽいけどたぶん彼らは中学生くらい。すんごい、囲まれた。日本人、やはり珍しいらしい。
アルメニアでは「キタイ?」と言われたけどこちらでは「チナ?」だ。「ヤポーニェ」ではなく「ジャポネ」で返す。

1月のカルスは、あっという間に日が暮れる。4時半にはもう真っ暗だ。
唐突に町中のモスクからコーランが流れる。
イスラム圏では何処でもそうなのだが、こんなにも壮麗に流れているのを聞いたのは初めてだった。
自然と、厳かな気持ちになる。

モスクをぼぅっと眺めていると、優しそうなおじさんに話しかけられた。
彼は運転手兼観光案内を生業としていた。
翌日アニ遺跡への案内を、料金もリーズナブルでなんだか面白いので彼に頼んだ。

暫し、夜の散歩が続く。


