トルコの東の果て、アルメニアとの国境の街・カルス - Kars - 2
2016
14
夕闇のカルスを、練り歩く。
16時台なのに、もう、夜だ。

寒さは、否応がなに気持ちを、身を、引き締める。

だけど人の笑顔に、口角もほころぶ。
遠くに行きたいといつでも願って、一人で何処までも歩きたいと思い飛び出しても、人は、人を絶対に一人にはしない。

私はよく、強いね、と言われる。勇敢だね、と言われる。怖いもの知らずだね、と言われる。
だけど本当はきっと、弱い。誰よりも弱い。子供の頃は泣いてばかりだったし、怖いものなんて、きっと人よりも多く、目を閉じてもこじ開けされられ耳を塞いでも両手を押さえつけられ無理やり見せられてきてしまったからこそ、不安を笑顔で塗り潰す方法に、長けてしまっているだけだ。楽しい魔法のかけ方を上手に覚えてしまったのだ。嘘も貫けば真となる、楽しく優しい嘘は、きっと悪い事ではない。

夜は、唐突に過去の出来事を、押し寄せる波のように思い出させる。
そして唐突飛び込む ”色” にそれらの闇を色とりどりに塗りつぶされる。



野菜がしっかり野菜だ。いいなぁ。
外から興味深く覗いていると、手招きをしてくれる人が多い。好意に甘えてお邪魔する。






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