小雨の中の廃校 - Abandoned school in light rain -
2017
28
細長く続く雨の日は、いつもの距離感をほんな少しだけ縮めてくれる、そんなドラマが生まれる気がする。
勿論気がするだけで終わるものだけど。











朝からしとしとと、長細く雨が降り続くような日だった。
畑ばかりの片田舎に、そこは存在した。
このまま畑に侵食されてしまうんじゃないだろうか。
雨風の侵食は時と共に建築を蝕む。
此処もこうして、残り続けていられるのは一つの奇跡なのではないだろうか。
頭に触れそうなすれすれな高さで、校舎内を蝙蝠が飛行する。
この校舎内で何を食べて暮らしているのだろう。
足元のカマドウマに目を落とす。
蝙蝠の主食は虫だ。
そういえばカマドウマって食べた事ないな。食べたくないけど。
しっとりとした空気に包まれ、ほんのり表面に汗を感じた頃、私たちはこの廃校を後にした。



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