ホーチミンをふらーっと徘徊した時のお話 - Ho Chi Minh -
2017
09
東南アジアの熱気は、ヨーロッパやアメリカなどでは絶対に味わえ鮮烈なものだ。
暑い場所は大嫌いな筈なのに、何度でも行きたくなる中毒性がある。

雨季のベトナムは猛烈に暑い。
早朝到着からすでに雨が降りそうな空模様をしていた。
とりあえず何をするか。何処から行くか。
あまり計画性があるようでない旅だったので最寄りのカフェに入る事にした。

カフェだけど、ベトナムのサンドイッチ『バインミー』がちゃんとある。
相場よりはやや高めになるだろうが美味しい。
フラペチーノもどきは緑茶のような味がした。ホイップクリームに見えるのは実はアイス。朝っぱらから過剰な糖分摂取をキメる幸せ。

ふと窓越しに、フォーらしき麺類を出前?で頼んでいるおじさんが見えた。
外で食すラフなスタイル…!

「バインミー食べたけど、フォーも食べたいね」
という事で、この日の日程を決め外へと繰り出す。
快適な冷房空間からまとわりつく蒸し暑さへ飛び込む。
「フォーのお店、ないかな」

「あれは…」
ふらふら歩いていたら目の前に、露点の麺屋らしきものが現れた。
「あれ食べたい!」

スープは2種類。
さっぱりとしていそうな鶏ガラのスープと、辛そうな真っ赤なスープ。

おばちゃんの手さばきが美しい。
ベトナムの女性は働き者が多く、家庭での発言力も大きいと聞く。
周りのお客さんたちは常連さんも多いようだ。
相棒がベトナム語がちょっと出来るので頼もしく、この国でのやりとりは殆ど任せてしまった。

真っ赤なお色に惹かれ辛いスープを選択。
麺を見ると、フォーではなくブンと呼ばれるもののようだ。
するすると入っていく、美味しい。
煮込まれたお肉はボリューム満点かつジューシィ。なんて美味しいんだ。
人参が入っているのがなんだか不思議。

蓼やミントなど、様々な香草がテーブルに置かれているので、好みで一緒に食す。
蓼は…初めて齧ったが衝撃的な味だった。
「ギィーッ!」ってなる。
自分はやっぱり、パクチーがいいな…。

「カムオン」とお礼を告げ、歩き出したら日本語堪能な怪しいバイタクのおじさんに話しかけられた。
ホーチミンの観光名所を回ってくれるらしい。
料金も高くないし、利用した日本人観光客の口コミを集めた手帳も見せてくれた。
熱心なおじさんだ。
日本語を勉強し始めて5年でここまで、独学で出来るようになるとは。
面白そうなのでガイドをお願いする事にする。
この時点で、既に立てた予定が破綻していなくもないのだけど、まぁいいとする。
まずはレートのいい両替所に連れて行って貰ったが、本当に良くてビックリした。ホーチミンで一番良かったかもしれない。

気になっていた戦争証跡博物館(WAR REMNANTS MUSEUM)へ連れて行って貰った。
表には軍用ヘリや戦車などがたっぷりと展示されている。
ミリタリー心をくすぐられる。

ベトナム戦争の歴史を綴る博物館で、敷地内にはベトナム戦争で使用された戦闘機や戦車の野外展示の他、コンソン島刑務所の牢獄を再現した建物や売店がある。

屋内には大砲や爆弾などの遺物、当時の報道写真などの戦争の足跡をたどる各種記録が展示されている。
他にも戦後のものとして枯葉剤の犠牲となった人々の写真や、世界中から集められた反戦ポスターを展示する児童向けのコーナーもある。
枯れ葉剤の犠牲になった人々の写真が特に心を抉るものがあった。言葉に詰まり、暫し立ち尽くしてしまった。
[ 続 ]
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