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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

生々しい紛争跡が刻まれる、サラエボのショッピングモールの廃墟 - Shopping Mall Destroyed by The Bosnia-Herzegovina Conflict -

2018
23


そこを知ったのは偶然だった。
道路を走らせている時、ふと目に入る破壊された建物。
「あれは何?」
「紛争の時破壊された建物だよ。」
首都、サラエボに。そのまま放置されているとは。



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博物館で見た紛争時の映像に映っていた建物だった。
その建物の前で銃撃戦が起きていた。
鳴り響く銃。
人々の叫び。
戦う軍人。
倒れる民衆。
血と涙と怒りと悲しみと。
そこには悲劇しかなかった。



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様々な廃墟を見てきた。美しい廃墟、不気味な廃墟。不思議な廃墟
ここは、生々しい廃墟だ。



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銃痕が無数に残る。
指一本分の大きさの穴もあれば、二本分の大きさの穴もあった。
自分の手で壁に触れ、目を閉じる。コンクリートの冷ややかな触感が伝わった。



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棟から棟へ繋がる中廊下。
紛争時か経年劣化か。



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内部は所々燃えたような箇所があった。



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20年以上も経てば、人工物も自然に侵食される。
青々しい葉を空に向けて、伸ばし続ける逞しい緑。



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建物自体はガランとしているがなかなか大きい。



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恐らく噴水だったであろう痕跡。
ショッピングに付き合わされたお父さんが縁に腰掛けて休んだり。
女の子同士が他愛もないおしゃべりをしたり。
子供をあやすお母さんがいたり。
当たり前の平和な日常光景が、そこにあっただろう。



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第一次世界大戦の引き金となった「サラエボ事件」の舞台となったこの国の現在は、当時からは考えられない程恐らく平和だ。
しかしこうした紛争の痕跡は未だ各地に大量に残っており、銃痕を修繕しないまま使用し続けている建物も多い。
負の遺産として「あえて」廃墟として残している場合もある。

日の入りが刻々と迫っていた。
天気は気持ちのいい晴空から、忽ち激しい雷雨へ変わってしまった。
轟く雷鳴、バチバチと打ち付けるような雨音。一気に暗くなる空。
廃墟の中で私は当時の情景を思い浮かべていた。
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