旧ユーゴスラビアの列車の墓場 - Train Graveyard in Yugoslavia -
2018
14
冬の晴れ空の下。
こんなにもセルビアの冬とは暖かなのか?いや、あの時はどの雪国も何故か暖かすぎた。
暑い暑いと言いながら、羽織るジャケットを鞄にしまい歩みを進める。
目の前に見えてくる地下道入り口。そのすぐ奥にあるゴミ溜めのような掃き溜め。
ジプシーの村だ。こちらではロマと呼ばれているが日本人にはジプシーという名称の方が
しっくりくるかもしれない。
ロマは、こちらに気がつくとロマの言葉で激しく罵倒してきた。
老婆と女性たち、そして子供達。
身なりは汚く、襤褸を被ったような装いだった。

ロマの村のすぐ近くに、列車の墓場がある。
おびただしい数の、使われなくなった車両。
ロマの男たちが一部解体作業にあたっていた。
女たちと違い、彼らはフレンドリーだった。

セルビア鉄道は国営企業だったが、2011年5月に民営化され全額政府出資の
株式会社である持株会社が4つの事業子会社(インフラ・資産管理・旅客輸送・貨物輸送)を
統括する体制に移行した。


普段電車を利用し生活している時は意識していないが、
こうして地面を歩き車両から車両へ移りながら撮影をしていると
列車の扉の位置が如何に高いかを実感出来る。



遠くでロマの男たちの声が聞こえる。
列車を切断する金属音が聴こえてくる。
空の音は無色透明の筈なのに何故か写真を見ると思い出す。
音のない音。
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