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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

コソボの国立図書館と廃墟と化したセルビア正教会 - Pristina National Library & The Abandoned Serbian Orthodox Church -

2018
11


コソボの冬の夜明けは、静かにゆっくり訪れる。



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廃墟化したセルビア正教会。
コソボ共和国に住むのは殆どがアルバニア系の住人で、イスラム教。
セルビア系の住人は、コソボ紛争の締結後殆どが「民族浄化」の結果コソボを追われる事となった。



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旧市街地を抜け新市街地へ…
大通りを歩いて行くと一際目を引く不思議な建物がある。
国立図書館だ。



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箱が連なり、蔦が這うかのような奇抜なデザイン。
ビザンチン建築とイスラム様式の融合、そしてアルバニア人とセルビア人の関係調整を意味している。
社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する、コソボメタボリズム建築だ。
16,500平方メートル、異なるサイズの99個のドームが屋根として付けられ、金属の網で覆われている。



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1982年、クロアチアの建築家アンドリア・ムトニャコビッチ(Andrija Mutnjaković)によって造られた。
建築家の意図を地元の人々は余り知らないようで、鳥の巣を現しているのではないだろうかと言う人もいる。
建築のデザインの良し悪しも賛否両論らしく、世界で最も醜い建築物のひとつだ…なんて声もあるらしい。酷い話だ。



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遺棄されたセルビア正教会からほど近い場所にある。



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内部もとても美しい。
閲覧室は300席、100席の2つがあり、研究室や講堂、会議室などもある。



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大学が近くにあるので、学生がよく訪れるそうだ。
こんな素敵な図書館で調べ物や勉強が出来るなんて、羨ましい。



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私も学生の頃はよく図書館に訪れていたが、こんなに素敵なデザインではなかった。



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150席を備付ける円形講堂。
アメリカの国旗が目に入る。
コソボ独立の際米軍主導のNATOが介入したお陰でセルビアが降伏したので、コソボはアメリカに対するリスペクトは尋常じゃないものがある。図書館内にもアメリカコーナーがある。



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円形模様のエントランスの床もとても美しい。
他ではまずお目にかかれない不思議なデザインを堪能した。



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外には人懐こい野良犬が多い。図書館の外を撮影する時ずっとくっついてきた。可愛いね。

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