未承認国家 南オセチア共和国・アラニヤ国 - An Unrecognized State " Republic of South Ossetia — The State of Alania " -
2020
20
グルジア(ジョージア)側から見た領土問題と、ロシア(オセチア)側から見た領土問題は異なる性質を持っているだろう。
今回自分は、兼ねてから行きたいと思っていた南オセチア共和国(アラニヤ国)へと足を運んだ。

南オセチア、又はツヒンヴァリ地域はグルジア北部に位置するオセット人の居住地域だ。
現在グルジアより事実上独立している『未承認国家』となっている。
北はロシア連邦の北オセチア共和国と接しており、「北と南、分かれてはいるがオセチアはひとつ」…という信念を、オセチア人たちの言葉から強く感じる旅となった。
南オセチアは、おそらく外国人旅行者は公式にはグルジア側から入国出来ない(オセチア人たちにもそれは言われた)。
グルジア側から入国したレポートも見たが、どういう状況だったのか自分では把握していない。
よってロシア(北オセチア)側から入るのが正式ルートとなるのだが、そこで登場するのが悪名高いロキトンネルだ。
このトンネルは唯一の南オセチアへの開かれた道であるのに、悪天候により度々封鎖されるらしい。
今はコロナウイルスの世界的流行により、南オセチア(そしてアブハジアも)の国境は固く閉ざされている。(最新情報は流動的に変わりゆくので適宜確認願います)

南オセチアへの道のりはなかなか遠い。
北オセチアの首都ウラジカフカスから車で2、3時間走り続け、国境へと辿り着く。
北オセチア側のパスポートコントロールは実にあっさりしているが、問題は南オセチア側だ。
当然別室に呼ばれ、入念に尋問が行われた。
氏名、生年月日、出身地、住所、家族構成、家族及び自身の職業、何故南オセチアへ行くのかなど事細かに聞かれる。
パスポートチェックの時間も長く、暫し代わり映えのしない山景色をぼーっと見つめるが儘であった。
それらを無事終えると、再び暫しの山越えとなる。
グルジアでも見たような石塔を見つけた時は感動を覚えた。


今期は世界的暖冬の為か、こちらでも驚く程雪が降っていなかったそうだ。
こんなにも雪がないのはありえないとの事だった。

「天然水飲む?」と聞かれたので「飲みたい!」と即答した。
ドップドップと湧き出る天然水は、かなりドギツイ味がした。
例えるならそう、高湯温泉の温泉水に鉄棒を突っ込んだ儘錆びさせたものをそのまま舐めたような…
(高湯温泉は福島市にある温泉です、オススメです)
お腹をほんのちょっとだけ、くだした。デトックスデトックス。

滞在するホテルは、何故かサッカー場に併設された施設だったがそこそこ快適だった。

トイレと洗面台は部屋に付いているが、シャワーは1階にある。

コンセントの位置に納得がいかない。

ここに来る迄の長旅で流石に疲れたので、暫し休憩を取りそれから夕食へ出掛ける事とした。
南オセチアの首都、ツヒンヴァリ。
街灯が少なく夜は暗いがレストランは勿論きちんと存在している。

ピザも寿司もある。
寿司は南オセチアでも人気の食べ物だ。寿司バーもある。
しかし閉ざされた内陸国なので生のマグロはまず入ってこない。冷凍物のみだ。
「いつか日本で生のマグロを食べてみたい」と今回ガイドをしてくれる事になった男性は言った。

旧ソ連圏を旅していると、例え下戸でも酒の場は避けて通れない道だ。
酒の味は嫌いじゃない、しかし、しかし本当に弱いんだ。
果物の酒を少々頂いたが、ホテルへ戻った後そのまま意識を失った。

南も北も、オセチアのソウルフード、オセチアパイ。
初日はチーズたっぷりのオセチアパイをいただいた。
思春期の少年なんかはこの大きなパイを丸ごと一枚食べると言う。

とろーりチーズが美味しい!ずっしりお腹に溜まる。

牛タン、ざくろ、人参などのサラダ。サラダだけど全くヘルシーじゃない。おかずだ。

野菜、そしてマッシュルームのグリル。

エビとパプリカ、レタスなどのサラダ。

豚肉のシャシリク。柔らかくも食べ応えのあるお肉。
食べ過ぎた…。

南オセチアの人々の殆どがキリスト教徒。イスラム教徒はいないと聞いた。

どの程度栄えた場所なのか分からないし、街も暗かったので、もしかしたら何もなかったりして…なんて思っていたら、とんでもない。
老若男女様々な人々が思ったよりも多くレストランに集い和やかに食事を楽しんでいた。
コーカサス国際関係の十字路
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