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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

澳門の造船所跡 - The Abandoned Shipyard in Macau -

2020
11


マカオと言えばカジノ。そう、まず最初にカジノの煌びやかなイメージがくると思う。
しかし私が行きたかったのは都会の喧騒から離れた古い村に残る朽ち果てた造船所跡だった。


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完全に廃墟化しているのかと言ったらそうではなく、9割廃墟化しておりごく一部分のみが可動しているような感じだ。
建設されたのは1950年代、このエリアは1970年代にはマカオで最も重要な造船エリアとなっていた。
ここで最後に船が造られたのは2006年らしい。
2017年には市民団体より不動産文化遺産の評価要求が文化庁に提出され、
保存と観光活用も考えられているようだが、果たしてどうなるのか。


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現場で働く男性に許可を頂いての撮影である。
海の向こう側には高層マンション。
この辺りは恐らく昔ながらのマカオの姿が残っている。


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嘗てマカオの経済を支える三つの伝統的な産業として見なされていたのは、香、爆竹、マッチの三つだった。
造船業は四番目に大きな伝統的産業と見なされていたらしい。


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緑に浸食された退廃美というものは、廃墟の魅力の醍醐味のひとつでもある。
じっくりと味わう時間は久しぶりだったかもしれない。


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途中、カメラをさげたマカオっ子が何グループかやって来た。が、中までは入ってこなかった。
学生風の男子は白いワンピースにサンダル姿の彼女にちょいと不服を申し立てられているようだった。


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造船所は同じ形状の建物が何棟か連なるように構成され海と緑両方に浸食される様子を堪能する事が出来る。
最も、朽ち果てていく一番の要因は毎年襲いかかる台風にあるらしいが。
造船所の状態は非常に悪い。2016年には一部崩落した事故が起きている。
保存されない限りこの状況は悪い方向に加速していくだろう。
もっとゆっくりしても良かったが、なんせ暑い。


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撮影後は近くの珈琲店で食事を摂る事に。
なかなか辺鄙な場所にぽつんとある珈琲店だが人の出入りが絶えず常に満席状態となっている。


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自分が着席した直後すぐに満席となった。タイミングが良かった。
この店もまた、造船所と関わりのある場所だ。
オーナーは元々造船所の社員だったが、労働中の事故により左手の動脈と腱を切断してしまった。
そのリハビリの為に作ったのがこの珈琲店だという。


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しっかり甘いミルクコーヒーと、卵焼きとハムとチーズを挟んだホットサンド。


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シンプルで実に美味い。癒される…。




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