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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

モルゲッソヨに会いに行ったあの日 - BULLET MAN in KOREA(총알맨 , 모르겠어요) -

2020
20


2018年平昌オリンピック開幕前、日本のインターネット界に激震が走った。
韓国・平昌アルペンシアリゾートのメインプレスセンター前は各国の報道陣の集合場所になっていた。
その前に鎮座するとある3体の像が話題となったのだが…。
そう、“モルゲッソヨ像”だ。


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私はそれを見て思った。行くしかない、と。
先ずは最寄りの地方のターミナルとなるバス停へ。結構な時間がかかった…2、3時間はかかっただろうか。
朝8時代のバス、席はそこそこ混んでいた。
そこから更にタクシーで移動。
ローカルバスもあるらしいが、来る様子もなかったのですぐ目の前にあるタクシー会社の運ちゃんにお願いして運んで頂いた。
と、いうか自分の姿を見るなりすぐに声を掛けてくれた。
ラーメンを食べている途中だったのにありがとう、優しい。
そしてやたらと「なんでそんな場所に行くの?」と聞いてきた。
「見たいモニュメントがあるから」と言っても納得する様子はなかった。
現地に到着してからも「ねぇ本当にここで大丈夫?」とやたらと心配された…。


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平昌アルペンシアリゾートには、モルゲッソヨ像以外にも様々なアート作品が鎮座している。


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敷地の入り口付近(?)には兵器と化したような生物のカッコいいオブジェ


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勇ましい。


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スキー場もある位なので、例年ならどっさり雪に包まれる景色が広がっている筈だったと思うのだが…。
このシーズン、世界的暖冬の為雪が全くなかった。
モルゲッソヨ像を見に行く5日前までロシアにいたのだが、ロシアも驚く程雪が少なかった。
(それでも吹雪に見舞われて酷い風邪を引いた)


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真っ先にモルゲッソヨ像に会いたいお友達は、この地図の13番の場所を目指すといい。


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こちらは平昌オリンピック関係のモニュメント
ちなみにオブジェモニュメントの違いだが、
オブジェは芸術性を感じさせるような作品、多くの人たちに見てもらうために作る物の事。
モニュメントは何らかのイベントの際に記念に作った物の事。
オブジェは芸術的な物を指すが、モニュメントはイベントなどの記念品という意味合いが強いという違いがある。
というのが一般的な定義だ。が。
その定義づけだと旧ユーゴスラビア各地に残るスポメニックには当てはまらないような気がする。
意図的な芸術作品ではないが、偶然芸術作品として昇華していったという事か?
いやいやスポメニックのデザインには当時の有名建築デザイナーを起用している物もあるぞ。
まぁこの辺は、また別の機会に…。


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そんな事を考えているうちに見えてきた。


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モルゲッソヨ像だ!


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銀色に輝く引き締まったボディ。


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3体仲良く鎮座している。


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股間も立派だが尻の造形も美しい。


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正式名称は弾丸マン(Bullet Man、총알맨)と言う。
2018年平昌オリンピック開幕前2月7日の東京スポーツで謎のオブジェとして紹介された事から日本のネット民に注目されてしまった。
男性器のように見える事、そして記者が現地のボランティアスタッフに像のことを尋ねた時「モルゲッソヨ(모르겠어요: 知らないです)」と答えたその語呂の良さでネット民の何かに火が着いた。
一夜にして大量のAA、3Dモデル、イラスト、MMDなどが生み出された…あの祭りは凄かった。


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作者のキム・ジヒョン(金知鉉)氏もまさかこんな形で注目されるとは勿論思ってもいなかったのでとても驚いたようだ。
この像自体は平昌オリンピックとは一切関係がなく、
2013年7月29日に開催された平昌ビエンナーレ&東海マンサンビーチフェスティバルの際設置されたものだ。
後にキム氏はこの作品に関してインタビューされたが、なかなか考えさせられる内容なのでそちらも是非読んで欲しい。

「この作品は、自分自身を強く批判する内容です。
『分からない(モルゲッソヨ)』という言葉が皮肉なことに、
現代人が直面している状況を物語っているという気がしました。

自分の欲望が何なのか知らないまま生きているのではないか、という気もします。
ある意味で『モルゲッソヨ』は適切な作品名かもしれません。
弾丸マン』は美化された暴力と欲望をあらわにしています。
ところが、その内面には弱い人間の本性が存在します。武
装しているけれど、実際には一寸先も見ることができない弱い人間なのです」


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平昌アルペンシアリゾートは飲食店もそこそこあるので食べ物の心配はしなくて大丈夫だ。
帰りも最寄りのバス停からターミナルバス停へ戻れる筈なのだが…来る気配が全くないので
結局タクシーを呼んだ。行きの時と同じ運ちゃんだった。


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ソウルへ戻るバスもほぼ満席。
到着まで終始爆睡。日本の長距離バスとそう変わらない。
到着してからはヒロさんのツイートで知った行ってみたかったソウルのウズベク街を散策。
そのレポートはまた次回に。





Dancin'on The Edge -平昌フィギュア報道写真集-

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