昭和の残り香を探し歩いた時のお話し(喫茶店編) - A Lingering Scent " The Showa Period " -
2020
27
フランソア喫茶室。

京都市の四条木屋町を下ったところにある町家を改装し1934年9月フランソア喫茶室は開業した。
1934年、まだ戦時下にあった時代。

豪華客船のホールを思わせるイタリアン・バロックを基調としたインテリア。
蓄音機から流れるモダンなクラシック音楽。
多くの若者や文化人、芸術関係者、学生や教員などが足繁く通い集い語り合い、
珈琲を味わうひとときの安らぎがそこにあった。


クリームソーダは普遍的な『昭和』の象徴のひとつだ。

夏日の喉を潤す。

フランソアは2003年に喫茶店としては初めて国の登録有形文化財に指定された。
ゆったりと静かな、実に優雅な時間を過ごさせて頂いた。
続いても同じく京都、散歩途中偶然通りがかったカフェ&ランチ マリヤ。

しっとりと昭和を感じるロゴと佇まい。

年季の入ったサンプルも良い味を出している。
焼きそば押しっぽかったので焼きそばを選ぶべきだったかなとも思ったが。

ミックスフライランチの誘惑に負けたのだった。
友人が注文したパンケーキがボリュームもりもりでちょこっと手伝った。
レトロで美味しい!

お客さんは珈琲一杯飲んでさくっと出ていく紳士が多かった。

素敵なお爺さん店員さん(ご主人かな)にも癒されたのだった。
そしてお次も京都。フランソワと同じくこちらも有名所。

喫茶ソワレ。

上品な外観からも漂う乙女の香り。
1948年に開店した美しき喫茶店。

店内の照明は海の底のような美しい青色。

創業者の友人である染色家上村六郎氏が「女性がきれいに見える灯りを」とアドバイスをしてくださった事からこのような青色になったそうだ。
その為お見合いの場に使われていた事もあるという。
店名のソワレとはフランス語で「夜会」・「素敵な夜」という意味だ。

1978年からゼリーポンチを中心としたメニューに取り入れた。
色とりどりのゼリーが青色の光に照らされる。
ゼリーはもちっとした美味しさ。
ゼリーポンチやクリームソーダに使用しているサイダーは1889年に発売されてから
100年以上変わらぬ製法で作られている。

実に優雅な時間であった…。

これら3店舗京都へ足を運んだ時は再び…と遠くの地より思いを馳せる。
同行してくれた友人にも感謝。
京都カフェ散歩―喫茶都市をめぐる
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