渡鹿野島へ渡った時のお話し 1 - The Prostitution Island "Watakano Island" in Japan -
2020
06
2019年2月、私は友人と三重県にいた。
兼ねてから行ってみたかった渡鹿野島へ向けて。
思った以上に道のりは遠く、しかも伊勢神宮の近辺という大渋滞コースを選んでしまった為
到着がかなり遅れてしまった。
お伊勢さんへ昔行った時は電車だったから…あの辺りが渋滞する事を知らなかったのだ。

夕闇迫る頃船着場に到着。
小さな船が往復のピストン輸送し続けているので何時に着いても大丈夫ではあるが、
夜中の船は料金アップする。(最終便23時20分、私が乗った時間帯は片道180円の運賃だった)
意外と普通の人たちが乗船するんだな、と思った。

船の中から見る渡鹿野島。
嘗ての“売春島”も過去の話しだ。現在も女の子がいるにはいるらしいが、その数は非常に
少ないらしい。売春などもう行なっていないという話しも聞いた気がする。
さて、どちらが本当なのか。真実を追い求めもしていないので、とりあえずそこは置いておく。
ただ、現在の渡鹿野島が寂れ切っている事実だけは本当だ。

約15分の短い船旅。私たちのように日帰りの探索目的で訪れたであろうグループも見受けられた。

静かだ…嘗てはタブーとされた島の成れの果て。

「これさ…何処に行ったらいいの?」
街中へ誘う道は一本、その先に何があるのかと言ったら、何もない。
初っ端からドン付き分かれ道に出会し私たちのように呆気にとられる人々もいた。
廃れ過ぎていてどっちに行ったらいいのか分からない。

「とりあえずこっちに言ってみるか…飲食店あるっぽいし」
店は、営業していなかった。夜から開くのだろうか?

「こっちの細い道行ってみるか」
無計画探索の開始である。大体そんなものだ。

何があるという訳でもなく、住宅地が続くといった道なり。
坂道を黙々と登り続ける。

田舎だ…。
“桃源郷”感は全くない。

畑だ…ネギだろうか。
市場には当然出ず家庭菜園の範疇だろう。

廃墟と化した旅館などもあるようだ…と思ったらちゃんと営業しているようだった。
帰宅後、というかこの記事を書き起こす時調べてみたらこんなページが…。

…!

『渡鹿野島独特のサービス』というパワーワード。
あれ、もしかして“島は生きている”んじゃないか、と感じたのはこれの限りではないので、
最後まで是非お読み頂きたい。

それにしても、行けども行けども廃れた田舎の住宅地のような景色しか続かない。

そしてどうやら折り返し地点へやって来たようだ。
この先奥へ進んでも森しかなさそうなので、市街地へ向かう事にした。

詫びしい冬景色。

飾られる謎の造花。

黙々と歩いていくと、いよいよやっと市街地が見えてきた。

途中鳥居が見えたので勿論寄り道をする。


因みにこの場所、なかなかに不気味だ。
もしかしたら感じやすい方などは“嫌な感じの鳥肌”が立つかもしれない。

なんと、ハート型の絵馬があるではないか。

実は渡鹿野島の形はハート型をしている。
売春のイメージを払拭させる為恋愛成就のハートアイランドという売り方に切り替えているのだ。
「ハートのカタチのふるさとです」とウェブサイトにもある。
売春から、恋愛へ……まぁ男女の艶かしい性がどちらも絡んでいるには違いないから、うん、間違いではない。

神社をぐるりと拝見し、再び街の方へ。
毎年7月下旬の土日には全島民上げての大きな祭り、天王祭が行われているが、今年は残念ながら中止だ。
天王祭は全国各地で行われており、はじまりは牛頭天王に疫病退散を願う祭りであったとされている。
疫病退散を願う祭りが疫病の為に中止とは…。

恐らくこの辺りが一番賑わいのある夜の街としての花を咲かせていたのだろう。
今は何と静かな事か。

しかし島の規模というか廃れっぷりにしては営業している旅館やホテルが多いようには見える。

思ったより長くなったので2回に分ける事にします。
続きは少々お待ちくださいませ。
売春島~「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ~
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