アブハジアのリゾート地に残る廃別荘 - An Abandoned Villa in the Resort of Abkhazia -
2020
13
今月発売する廃宮殿の写真集にアブハジアのスメツキー公の宮殿が載るらしい。
そんな場所あったっけか…と思いサムネイルを見ると「あ、ここ行ったかも」
自分の写真用HDDを漁って確認してみると…。

…うーん、似ていると思ったが違うようだ。
アブハジアを代表するリゾート地ガグラには嘗てスターリンの別荘も幾つか存在した。
そのひとつは観光地となっており、そこは私も見学しに行った事がある。
他にも観光地として開放されているスターリンの別荘はあるようだ。全部で幾つあるのだろう。
大なり小なり、ガグラには別荘の廃墟が多い。

今では周りの木も鬱蒼と繁っているが、当時の見晴らしは素晴らしいものだった事が伺える。

旧ソ連の人々は夏になるとダーチャと呼ばれる別荘へ遊びに行く。
都会の喧騒を離れ、仕事を離れ、慌しい日々を忘れ、ゆっくりのんびりとバカンスを過ごす…。
まぁ一般的なダーチャは菜園付きセカンドハウスのようなものらしいので、
ガグラに残るような宮殿のような豪華な作りの別荘とは違うかもしれないが。
私も現役のダーチャとやらには足を運んだ事がないのである。

2020年8月現在、コロナ禍によりロシアの人々も今年は海外でのバカンスは諦めざるを得ない状況に
追い込まれたようだ。世界共通の苦行である。
なので国内旅行へシフトチェンジ…実効支配下にあるクリミア、オリンピックのあったソチ、
そしてアブハジアに観光客が流れたようだった。

各地のコロナの状況はどうなっているのだろうか。
軽く調べてみたところ、報道では、8月9日の時点でこれまでにクリミアにて1日間で確認された
コロナ発症者の最大件数は39件であったとしていたが、48件という過去最多数を記録してしまった。
これによりクリミア自治共和国での累計確認数は1517件、死亡は17件。
セヴァストポリ市では累計確認381件、死亡は11件となった。
そう、クリミアも夏のバカンスにぴったりなリゾート地なのだ。
国外に出られない今行かないわけがない。

アブハジアへは、8月1日にロシアとの国境を開いて以来ロシアからの観光客が殺到しているらしい。
その数既に10万人に登る。流石に行き過ぎではないか。(正直羨ましい)
アブハジアはコロナにより国境が4か月間閉鎖されていた。
観光に依存する経済に深刻な打撃を与え続け…もしかしたらもう限界だったのかもしれない。
しかし。…もうこうなって来ると、コロナで死ぬか、経済で死ぬかの二択になってしまう。
(同じく、きっと日本の観光地の状況も…)
そしてロシアとの国境を開いて以来、アブハジアではコロナ発症者が3倍に増えたとの事。
国境で数百メートルの列を作り大混雑を引き起こす状況になったのだ、もう必然と言えよう。
驚いた事にロシアからのアブハジア訪問者はコロナの陰性証明なしで入国出来るとの事。
あんな明らかに医療が貧弱そうな国に…!

アブハジアのコロナ発症者数を調べようとしたらこんな表示が。

Googleって本当便利…と関心している場合じゃない。
この数値よりも多そうな気がするのだが。
アブハジアにいる友人たちが心配になってきた…。
前に連絡した時は大丈夫と言っていたが…。




一刻も早い収束を心から願う。
未承認国家アブハジア 魂の土地、生きとし生けるものと廃墟
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