昭和の記憶を求めて…古き良き木造マーケット・小向マーケット商店街 - Showa period remnants ... The Komukai Market in Kawasaki(Japan) -
2020
15
川崎に濃厚な『昭和』を感じる事の出来る木造マーケットが残っていると聞き、
暇な時間を見つけた私はそこに向かった。

川崎駅からバスで更に移動したどり着いたそこは…凄いの一言。

この風貌ではあるが、なんと現役の木造マーケットだ。

頭上にずらりと並んだ看板が堪らない。
去年までは頭上に万国旗も飾られていたが、台風をきっかけに外してしまったそうだ。
木造家屋が倒壊した時、万国旗があっては片付けに邪魔だろう、と。
「あれ、ネットにあがってる写真で見たんですがとても可愛かったです。また付けないんですかね」
小向マーケット商店街で営業しているお惣菜屋さん『大野屋』のおばあちゃんに聞いた。
「古い建物ですからね…無理じゃないかな。オーナーさんも高齢だし。私ももう80過ぎよ」
シャキシャキとした口調と装いからは、80という年齢を感じなかった。

小向マーケット商店街は1953年(昭和28年)に創設された。
当時多くの人が暮らし、団地や川崎競馬の厩舎があるにも関わらず生活必需の店舗が少なかったそうだ。
バラックのような雰囲気漂う市場は今でこそ人気がないが、活気のある時代もあったのだ。

5時50分を示す時計はいつから止まっているのか。

ノスタルジーが止まらない…。このような光景をずっと見つめていたい。

現役のお豆腐屋さん『長岡屋豆腐店』。がんもどきや油揚げなど大豆製品が並んでいる。
とても美味しそうだったがこの後別な用事があった為購入はしなかった。
今思えば買えば良かった…次回川崎方面へ足を運んだ時に行こう。
2018年にはそう遠くない場所にあった亀甲マーケットが解体されたという事を、
今正にこのブログを書いている時に知った。もっと早くに知っていれば…。

こんな素敵なお店が家の近所にあればなぁ、と思う。

お茶屋さん『富士園茶舗 』。おばあちゃんの家でゆっくり緑茶を飲みたくなった。

通り抜けた先も、住宅街。

折角なので大野屋さんでお弁当を買って近くの公園で昼飯を摂る事にした。
お弁当ひとつ510円。おかずがもりもり入った白米もたっぷりなお弁当が510円…!
店員のおばあちゃんたちとの会話も弾む。

日本に生まれて良かったと感じる事が一番多いのは、飯と対面する場だなやはり…。

普通の量でも白米の盛りよし。

おかずの種類と量も半端ない。じんわり美味しい、なんて白米にぴったりな味付けなんだ!
お弁当と共に昭和の郷愁もしっかりと噛み締めた気がする。
いつまでも、いつまでも残ってほしい場所だ。
風が強い天気も気持ちも良い1日、お弁当を食べ終え暫し余韻に浸り、次の目的地へと向かうのだった。
八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア
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