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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

ルーマニアの廃刑務所 ジラヴァ刑務所 - An Abandoned Prison " Fort 13 Jilava Prison " in Rumania -

2020
26

ブカレスト郊外に、廃刑務所がある。
現在も使用されている刑務所の同敷地内にある旧刑務所跡だ。
事前に許可を取った場合見学出来る。
私が訪れた時もバスに受刑者が乗せられ入っていく所を目撃し「おぉ…」と妙な感動を覚えた。
と同時に、緊張感。
そう、悪魔でも現役の刑務所の敷地内に存在しているのだ。
入り口でのパスポートチェック。ここでパスポートは回収され、見学終了後出る時に返される事になる。
合法での見学とは言え、パスポートを受け渡すのは余り気持ちの落ち着くものではないかもしれない。


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合法での刑務所見学と言えば、過去に奈良少年刑務所を見学した事があった。
あの頃はまだ使用されており、受刑者が働いている現場などもさらっと拝見させて頂いた。
あの時もやや緊張した事を覚えている。


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ジラヴァ刑務所。
ブカレスト郊外にある対オスマントルコの為建造された砦を改装して1907年に造られた刑務所である。


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第一次世界大戦後軍事刑務所として使用されていたが、第二次世界大戦に突入してからは
政治思想犯の勾留所にもなっていった。


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ジラヴァとは『湿気の多い場所』という意味だ。
名は体を表すというか…
ここでは、苛烈極まる尋問や拷問が行われたという。


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手足を拘束し十何時間も狭い部屋をグルグル歩かせる拷問、眠らせない拷問、
光の一切入らない部屋に数ヶ月閉じ込める拷問…そこに流れる独特の空気は余り得意ではない。


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ジラヴァ刑務所は1940年11月26深夜から27日にかけて、ルーマニアのファシズム団体鉄衛団が64人の政治犯を
殺害した場所でもある。ジラヴァ虐殺としてルーマニアの歴史に刻まれている。
有名な処刑された犯罪者は1946年に戦争犯罪で処刑された元ルーマニアの首相イオン・アントネスク。

1971年10月23日にはシリアルキラー『ブカレストのヴァンパイア』イオン・リマルが銃殺隊によって処刑された。
当時社会主義体制の元では検閲が強まり犯罪報道も少なく一見平和に見える時代でもあった。
東側諸国では犯罪は資本主義で腐敗した西側諸国特有のものという考えで、殺人鬼が報じられる事は滅多になかった。
しかし4人以上が殺害され10人以上が強姦と殺人未遂などの暴力の被害に遭った大規模な事件を
流石に報じないわけにはいかず、法定には1000人以上の市民が押しかけたという。
リマルが処刑されたのは判決から約1ヶ月後の事だった。


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…と、話がやや趣味に逸れたがこの刑務所ツアーも行われているようである(ただし14〜18歳の者は
親または教師の同伴が必要となる)コロナ禍の現在どうなっているのか分からないが。
歴史的建造物とルーマニアの負の歴史を知る事は悪い事ではない。
余談だが、刑務所見学を終え立ち去り車で30分程走った頃ガイドに電話が掛かってきて
「ごめん!刑務所にパスポート忘れてた!」
…私も忘れていたがちょっと勘弁して欲しかった。





ルーマニアを知るための60章

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