ロシアと中国の国境近くに残る軍事都市跡 - Abandoned garrison on the border between Russia and China -
2021
25
雲一つない晴れ渡る澄み切った青い空。
終わりなき空が何処迄も続くような気持ちのいい天気。
見た目だけなら。
氷点下二〇度を下回る外気に晒される事は、予想以上に地獄であった。
空気は乾き切り吹き荒れる風も強い。

しかしそれでも行きたい場所があった。

ロシアと中国の国境近くに残る軍事都市跡。
20年以上前から誰も住んでいないらしいこの辺境の地は広大な敷地に作られた軍事施設だった。

降り積もった雪が余りの寒さと風でそのまま固まり、踏んでも沈む事がない。

有刺鉄線が張られた検問所、高い煙突を持つ暖房用のボイラーハウス、居住区や食堂。1.5×0.5kmの広大な敷地。
ソ連時代の残響が刻まれる朽ち果てたタイムカプセルのようだ。


この地には嘗てライフル連隊、ミサイル師団、対戦車砲師団などが配備されていたという。
部隊はソ連崩壊後90年代初頭に解散。その他多くの軍事施設跡と同じような末路を辿っているように見えた。






誰も住んでいないらしいが雪の上には轍の跡が残っている。
何らかの作業を行っているのか、それともやはり誰か住んでいるのか。
探してみたがそれらしき家はなかった。
この地へ訪れる途中、中国のラジオが突如として入った。
暫し立ち止まり聞き入ってしまった。
中国の丹東へ訪れた時、国境近くで入る北朝鮮のラジオを聞いた事を思い出した。
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Abandoned garrison on the border between Primorye and China
ロシア極東ハンドブック
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