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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

ロシアと中国の国境線により分かれる湖・ハンカ湖と軍事都市跡 - Lake Khanka, a lake divided by the border between Russia and China. And An Abandoned Remains of a Military Town -

2021
30


ハンカ湖
ロシアの沿海地方と中国東北部の黒竜江省との間の国境地帯にある広大な湖。
ロシア語ではо́зеро Ха́нка、中国語では興凱湖(兴凯湖)と記載される。
我が故郷福島には日本国内で4番目に広い湖・猪苗代湖があるが、それでも面積は103.24平方km。
ハンカ湖はというと4190平方kmもある。…広い、広すぎる。
中国国境より50km、ハンカ湖に程近い場所に嘗ての軍事都市跡があると聞き、是非見てみたいと思った。


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ウラジオストクから約300km。この撮影スポットはたまたま通りがかり見つける事が出来た。
休日ではあるが午前9時前だった為観光客など誰もいなかった。


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なんか…汚いな。
ハンカ湖は極東最大の淡水域で平均水深4.5m、水深1〜3mの浅い水域も多い。
一番深い水域でも10.6m。
湖は泥が入り混じり総じて強風の日が多い。故に常に水の色が茶色く濁っているらしい。
実際この日も天気予報によると風速11mだった。
5月にはもう泳ぐ事が出来るらしいが、流石に寒くないか5月は…?
ロシアの人々は強いから大丈夫なのだろうか。

こちら2002年の旅行記がある。日本の方でやはりハンカ湖に行った事のある方は少ないようだ。
これを見ると自分が訪れた時よりも水が綺麗なように見える。湖の場所によるのだろうか。


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多くの観光地の何故か定番となっている恋人同士鍵に名前を書いて残していく『愛の南京錠』。
愛の南京錠は1990年代から2000年代の初めにかけて見られるようになった現象らしい。
その起源については定かではないが、古い話しだとセルビアの第二次世界大戦以前にまで遡る話しがある。

ヴラニスカ・バニャ出身のナーダという女教師はセルビア人士官リルジャと恋におちた。
互いに愛を誓い合った二人だがリルジャはその後ギリシャへ行き、そこでコルフ島生まれの女性と恋をする。
リルジャとナーダは破局し、ナーダはこの辛い経験から立ち直ることはないまま亡くなった。
そして恋を成就させたいヴラニスカ・バニャの少女たちは、リルジャとナーダが逢い引きに使っていた橋の欄干に
自分と恋人の名前を書いた南京錠をくくりつけるようになった。



なんとも切ない。


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ハンカ湖について概要の書かれた看板も設置されている。
ああ、本当に中国の国境に面しているのだな…としみじみ嬉しくなった。(謎の達成感のような気持ち)


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両国の自然保護区は共にラムサール条約登録地になっている。
日本や太平洋一帯にも飛来する渡り鳥が多く住みタンチョウとマナヅルの重要な繁殖地である。
他にも多くの絶滅危惧種の野鳥・両生類・爬虫類・昆虫などが生息しており、
第三紀の植物群やチョウザメなど多くの淡水魚類、アムールトラなどもわずかながら生息している。
嘗てはトキもいたが中露両国の農地開発などにより第二次世界大戦後暫くまでいたのを最後に確認されていない。
ハンカ湖で釣りを楽しむ人々もおり巨大な淡水魚を釣り上げている様子をインターネット上で見かけた。


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階段があり湖に近づけるようになっているではないか、降りてみよう。


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降りたところで…まぁ汚かった。
強風により水面に荒波が立ち細やかな水しぶきが飛んでくる。
カメラを構えているのもしんどい程強い風なので早々に撤退した。


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次ハンカ湖へ訪れる時はBBQでもする時かな…?


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さて目的の軍事都市跡へ。
1944年に結成し2009年に解散した部隊が配属されていたそこには、殆ど何も残っていなかった。


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領土は思った以上に広く、建造物はそこそこに残って入るのだが…
時間との兼ね合いそこまでじっくり見るものではないと判断した。
建材として再利用される為少しずつ解体され、ゆっくり、ゆっくり無に還っていくのだろう。


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それにしてもこの手の場所は、近隣の村の農民が放飼いだか番犬にしている大型犬が
激しく吠え散らかしている事が多く非常に煩かった。
私が犬の近くにいる訳ではなく近隣の他の住人が近づいて吠えているだけだとは思うのだが…
それにしても五月蝿い。


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次の目的地へ急ごう。




移民と国家―
極東ロシアにおける中国人、朝鮮人、日本人移民

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