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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

ドバイの廃飛行機 - Abandoned Airplane in Umm Al Quwain Airport (QIW) in Dubai -

2021
05


ドバイ廃飛行機がある。しかもそれはソ連時代の機体らしい。
という話しを聞きつけ、早速行ってみた。


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ドバイの蒸し暑さは日本の比じゃない。
灼熱地獄&海に近い為か湿気が凄い。早朝でも深夜でも止まる勢いを知らない熱気に外を歩いて10分でグロッキーしそうになる。
廃飛行機はかっこいい。
しかしこの時点で既に帰りたくなった。暑い、暑すぎる。


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私の目的とする機体が見えた。


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ドバイにもこういった廃なる遺産が残っている事に感動した。


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…でもどうしてこんなセンスのない事をしてしまうのだろうか。
因みに此処、完全放置な訳ではなく謎の屈強なアフリカ人男性が土地を占有し入場料を取っているのである。
私が訪れた時はかなり渋って撮影を拒んでいたが交渉の末なんとか撮影する事が出来た。


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こちらの機体はイリューシン76(Ilyushin IL 76、ロシア語でИл-76)。
ソビエト連邦のイリューシン設計局の開発した大型ジェット輸送機。
冷戦下の1967年に開発が始まった機体で、6時間以内に5000kmの距離を40tの貨物を運搬する事が出来る。
短く整備されていない滑走路でも使用可能で、飛行機が飛ぶ上では気象条件が最も悪い冬季のシベリアと北極地域でも運用可能。


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この飛行機のシリアル番号は03403072で、1975年にソビエト空軍向けに製造された機体である。
70年代後半から80年代前半に、CCCP-86715の登録で就航したと考えられている。
そしてソ連崩壊後、同機は1990年代半ばまでロシア空軍によってRA-86715という機体番号で運用された。
1997年にEL-RDTとしてエア・セス(Air Cess)に再登録され、1998年には3D-RTTとしてエア・パス(AirPass)に登録され、
1998年から2000年まではセントラル・アフリカン・エアウェイズに登録されたのが最後となった。
最終的にこの機体がこの場所にある理由は幾つかの説がある。
事故で着陸した、燃料不足で不時着したレストランに改装する予定で購入した、解体し換金する為等。
尚、イリューシン76はロシアなどで空挺降下を含めて引き続き運用されている。


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とりあえず機内に入れるので入ってみる事にした。
足場が不安定でガタガタ揺れるので少々怖い。そして鳩が多すぎる。


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湿度ほぼ100%の朝7時。それでもこの光景を見る事が出来るのなら幸せでしかない。


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飛行機は浪漫だ。廃飛行機は浪漫を通り越した夢想世界だ。


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「遅いぞ」
謎の屈強なアフリカ人男性が急かしにやって来た。


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いつかまた訪れる事があるか問われたら絶対にないだろう。
距離の遠さよりロケーションの過酷さの方が私にとっては問題だ。
暑いのは大の苦手だ。
砂漠の真ん中の廃飛行機


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それでも、またいつか…。





地球の歩き方 E01
ドバイとアラビア半島の国々
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