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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

ソビエト時代のスポーツ複合施設跡“ラグーナ・ヴィア” - The Soviet-era Laguna Vere (sports) complex in Tbilisi -

2022
07


ジョージアという国は魅惑の国だ。
何度訪れてもやっぱり楽しい。
3回目のトビリシへの訪問時、廃墟になったプールがあるという話しを聞き行ってみたくなった。



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外観の美しいモザイクアート。ジョージアにはこのようなソビエト・モザイクが数多く残っている。



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見ての通り、完全に廃墟という訳ではない。
ソビエト時代に造られたラグーナ・ヴィア複合施設は、5,500人の観客を収容出来る屋外プール、
ジムとサウナ、陸上競技場、オフィス、カフェ、記者会見用のギャラリーを備えた巨大な建造物だ。



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2014年以降閉鎖されているが、現在建物部分には各企業やテナントが入り使用されている。
施設の一部が廃墟化しているという状態だ。



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車の修理業者が運び込んだ車がプールの通路を埋め尽くしていた時期もあったそうだが、
私が訪れた時はすでに姿を消していた。



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屋内プールもある。
何故こんなにも泥が詰まっているのだろうと思ったら、2015年6月に酷い洪水の被害に遭い
そのまま掃除される事なく放棄されているからだそうだ。



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このジョージアのスポーツ宮殿の建造が始まったのは1967年だった。
途中8年間の工場休止を挟みながらオープンしたのは1978年。



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飛び込み台のデザインもカッコいい。流石ジョージアの建築家のブルータリズムデザイン。



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ラグーナ・ヴィアは、コーカサスで最初の世界クラスのウォータースポーツの複合施設だった。
それはコムソモール(全連邦レーニン共産主義青年同盟)によって使用され、
ソビエト全盛期には閣僚評議会の賞を受賞したという。



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鉢植えのモザイクアートも見逃せない。



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そしてここは社会的地位に関係なく全ての市民に開放されているトビリシで唯一の屋外プールだった。



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ソビエトが崩壊し、ラグーナ・ヴィアは2000年に私有地になったが、2014年には時代遅れや経営難を理由に閉鎖された。



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2015年ジョージアの国立文化遺産保護庁にラグーナ・ヴィアに文化遺産不動記念碑を付与するよう要請した
グループがあったが、こうした現状が今も続いているという事は…今後も見込みはないのだろう。






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