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SATIAN/39 -頽廃放浪記-

廃墟/旧共産圏/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

バルスコーン渓谷のガガーリンのモニュメント、辺境都市エニリチェク - Monument to Yuri Gagarin in Barskoon , & Engilchek (Soviet-era ghost town) in Kirghiz -

2024
05


イシククル湖からバルスコーン渓谷へ。
雄大な山々に向かい車を走り進めていると、奇妙な光景に遭遇する。


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あれは…


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…マトリョーシカ?
いや…


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ガガーリンだ。


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何故こんな辺鄙な場所に、ガガーリンのモニュメントがあるのか…。


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岩を直接くり抜き作られたモニュメントである。


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余りに不可解ではあるが、嫌いではない。
このモニュメントはすでにオリジナルではなく、破壊された後修復されたものである。


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撮影をしていたらこの川を馬の大群が通過していった。
馬の筋骨隆々な肢体の美しさに見惚れてしまいシャッターを殆ど切らなかったような気がする。


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道路を挟んで向かいにはキャンプ地のような場所が。
私が訪れている時も旅行にいらしているファミリーが何組かいらっしゃった。




…と、これは正直書くか否か迷ったのだが。


【演出と取るか、やらせと取るか】

先日のクレイジージャーニーを見て思った事を。この手の類の内容を書くのは非常によろしくはないと思うのだが、
旧ソ連の遺構を被写体とする身としては流石に思う事が多かったので敢えてしたためる事にする。

先日放送したキルギス旧ソ連の“秘密都市”エニリチェク
実はこちら私も数年前に足を運んでいるのだが、秘密都市ではない。
(閉鎖都市リスト)
中国国境に非常に近いが故軍の管轄下にあり、入域の際は政府の許可が必要であるというセンシティブなエリアなのだ。
通常入域2週間前には書類申請が必要で、当然その時いつ行くのか、何日の滞在なのかなどは記載する。
エニリチェクはゴーストタウンなので人が住んでいる事にとても驚いたというようなシーンがあったが、あれは明らかにおかしい。
まず、2日間の滞在となるなら当然現地かその近辺の宿泊になるだろう。
人が住んでいない場所での宿泊がどうなるか、ホテルなのかキャンプなのか、こうしたやりとりは事前に発生する。
エニリチェクにはホテルがないので、必然的に一般のご家庭への滞在(民泊、ホームステイ)という形になる。
人が住んでいる事は知らなかったというような事はおかしい、知らない筈がないのだ。
(ちなみに入域する際には途中軍の管轄であるゲートを通過する)

エニリチェクを紹介しているWebサイトやWikipediaには、大抵この場所に人が住んでいるという事が記載されている。
(エニリチェク(Engilchek,Эңилчек)のWikipediaは英語のみである)
当然それ位は眼を通すだろう。
やはり知らなかったというのは不自然すぎる。

取材に赴いた写真家氏が番組冒頭の説明で、キルギスの事を旧ソ連“衛星国”と発言していたが、実際は構成国だ。
この違いは大きいというか、全然違う。
…自分で調べていないのだろう、テレビという舞台装置で踊っているだけの演者のように見える。
やらせとまではいかなくても、演出にしても、お粗末な気がする。
ドキュメンタリー調でいきたいのであれば、せめてもっときちんと調べて欲しい。偽りを報道しないで欲しい。
本気で旧ソ連の遺構、廃墟モニュメント、遺産、建築などの被写体を追いかけている身としては、
ソ連の遺構をただのエンタメとして消耗している様子を見るのは哀しいものがある。
写真家氏も番組も嫌いという訳ではない、リスペクト出来た部分も沢山あっただけに、ただ哀しいだけである…。

尚ガガーリンのモニュメントについても、誤情報を放映していた模様…。
(破壊されたガガーリン記念碑⁠)

エニリチェクへの許可証を手配する際お世話になったキルギス人に、改めてエニリチェクって秘密都市か否か問いかけてみた所、
「ソビエト政府がエニルチェクのリソースに興味を持っていたため、それは部分的には秘密の場所だったと思います」
との事であった。この説明だったら納得がいくかもしれない。

…と、暫く出し渋る予定だったエニリチェクの写真もついでに載せておく。
非常に行きにくい場所である事は確かだ。
一人で行った事を正直後悔した。


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険しい山道はオフロードよろしく寧ろ崩落したまま放置されているのではないか…と思えるような箇所が
余りに多く運転していて心が折れそうになった…。


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途中ゲートがあり、そこで各書類の確認などがあるのだが、トランプゲームに興じる若き軍人たちは
暇を持て余し、極東島国からの訪問者を珍しそうに見ているのであった。


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