SATIAN/39 -廃墟の影片-

廃墟/旧ソ連/未承認国家/国内外の”世界の果て”へ。ヒトノココロノスキマをキリトル頽廃放浪記。

清越金山/参

2009
11
そう云え、ば、と、
ようやく半分迄伸びた爪を見る
霧に霞んだ記憶を巡らせる
あの時出逢った少女は今、何処でどうしているのだろう







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清越金山/参







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屈折光によっては鼠青に見える、群青のオーガンジーパニエに
アンティークチックな生成色のパニエ
緑青のように鮮やか且つ鈍いブラウス
顔に似合わぬ琥珀色の眸をギラリと携え八重歯を光らせる
彼女は







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「爪を剥がす痛みって、知ってる?」
舌の上で一瞬で溶ける、甘く儚いグレースのように白い声で
耳を微いだ







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問い返す間も与える事無く
瞬く間に左薬指の爪を、彼女は剥いだ
「彼方の心の痛みと一緒ね。
地を這う虫みたい、まるで蛞蝓だわ」







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都合のいい角と槍しか出さない蜒蚰螺よりはマシなんじゃない?
取り敢えず眸の上のスパンコール落としてから言えよ
蚯蚓腫れ位ならつくってやるよ







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虚無に等しい抵抗は文字通り無に終わり
余韻を残すような深みもない薄っぺらな僕は
剥がされるがままに剥がされ痛みに呻きついには無様に泣き叫んだ







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「引き摺る想いを抱いたまま気づいてか気づいてないか知らないけど
自己陶酔してる莫迦って嫌いなの。
そんなに自分の事綺麗だと思ってる?
大丈夫、彼方は生きているうちに自分が思っている程なぁんにも残せなくって
誰にも知られ無くって、いつも知らない誰かの大きな手の平で転がってるだけだから」







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「だから、さようなら。
ありがとう」
シナモン・アップル・シュガーの焦目のにおい
ジンジャーリキュールの弾ける刺激
アンバランスなシャンパン・チョコレート
唇を掠めたのは、苦くて甘い一瞬の春だった







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此の爪が、全部伸びきったら。
もう壱度、彼女に会いに行こう。
まだ待っていてくれているのかなんて、分からないけど。







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続きます。




…チョコレートに、合わないお酒代表格ブッチギリの第壱位、は。
シャンパン。
なのです。
超がつく程、美味しくない残念な子。



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