松尾鉱山/リナコとサキヤマちゃん
10分刻みに送られてくる本文一行のメールを見て僕は思う。
ああ、またいつものか。と。
リナコは僕の気を引く為だけに手首を切る。
リナコは僕と一緒にいたいが為だけに意味も無くわんわん泣く。
リナコは僕を繋ぎ止める為だけに薬を飲む。
リナコは僕と離れたくない為だけに死にたいと呟く。

僕はリナコが嫌いだ。
だけどリナコは僕の事が好きで僕がいないと自我を保てず
僕が全てで僕に依存しないと生きていけない。

僕はそんな鬱陶しい昔は可愛かったけど今は薬でぶくぶく肥って
蒼白く水を吸ったガス膨れの水死体みたいなリナコより
明朗で艶やかなサキヤマちゃんが好きで誰よりもサキヤマちゃんと
一緒にいたいと思うけれど、そうするとリナコがまた首を吊るから
一緒にはなれないんだ。

サキヤマちゃんは僕がいなくてもいきていけるから。

僕とリナコの事を共依存て云うのよとサキヤマちゃんは
リナコの108倍は可愛い横顔で言う。
サキヤマちゃんは何も言わずに飛び込む僕を拒まずいつも受け入れてくれる。
そして、ああ私も、カワカミ君とリナコちゃんと一緒なんだわ、と小さく呟く。

あーあ、ずっと、サキヤマちゃんとだけ一緒にいたいのに。
何でリナコはいるんだろう。
本日にて、東北三大鉱山ツアーのお写真は、終幕で御座います。
お次は、初めてのクロスプロセスの廃墟写真でも載せてゆきまする。
予想不可の頬擦りしようとあらば鮫肌に傷つくざらついた感触を
お楽しみ頂ければ幸いです。
私信ですが、某氏、ヤンデレに刺される前に別れられて、
おめでとうございます(苦笑)聞いてるこっちはいつも気が気じゃ
ありませんでしたよ。
皆様良い恋なさってくださいませ。
僕はこれからもコンクリートと鉄筋に欲情し続けます。
